このたび、ユーキャン新語・流行語大賞の授賞式に出席させていただきました。
結果はみなさんご存知の通り、「そだねー」がなんと年間大賞に選ばれました。「もぐもぐタイム」も含めて、カーリングという競技が広く知られた事実に胸いっぱいです。ありがとうございました。
平昌五輪がもう10ヵ月も前になるなんてちょっと信じられませんが、振り返ると、準決勝で韓国代表のキム・ウンジョン選手に決められた素晴らしいドローショットや、ブロンメダルゲームでイギリス代表のイブ・ミュアヘッド選手がトライした、カーリングの面白さと怖さが凝縮されたラストロックがそれぞれ鮮明に思い出されます。
私にとっては3回目の五輪ですが、過去の2回、2006年トリノ大会、2010年のバンクーバー大会と大きく違ったのは、コーチボックスに座っていたことです。
5人目の選手のことをカーリングではリザーブ(Reserve)、フィフス(Fifth)、オルターネイト(alternate)などと呼びますが、平昌五輪で私は、主にその役割を担いました。
何か選手にアクシデントが起きた時には試合に出てその選手と同等のパフォーマンスをするために備えないといけませんし、アイスの状態や試合で使うストーンのクセをチェックするために、毎日の試合が終わった後に「ナイトプラクティス」と呼ばれる時間には、アイスに乗ってコーチ陣と共にその仕事に取り組みました。
あとは流行語にもノミネートされたハーフタイム「もぐもぐタイム」に向けた補給食の準備です。
名付けられた言葉の響きからは、いかにものどかな楽しい雰囲気が漂いますし、実際「ピクニックみたい」との声も聞きました。でも実は、現場の選手としてはそれほど悠長で面白おかしいものではないんです。
ハーフタイムは5分与えられているのですが、それを丸ごとミーティングに使えるかといえばそうじゃない。
前半の5エンドが終わるとすぐに時計はカウントダウンを始めます。JDコーチと小野寺亮二コーチと一緒に、シート(プレーエリア)裏まで降りていって果物の用意するのに30秒。
後半戦となる6エンドが始まる1分前には準備していないといけないので、それを差し引くと、「もぐもぐタイム」は実質3分から3分半くらいですね。
その間にJDコーチが後半の戦い方のポイントを話したり、選手がしっかり集中できているかをチェックする。だからどうしても「うんうん」と頷き、なるべく急いで食べながらの議論になるんです。