残さず食べて!・給食で居残り・部活で米三合…が子どもの心を壊す

間違った「食事指導」の深刻な影響
山口 健太 プロフィール

「完食指導」による恐怖症発症が6割以上

質問「あなたが会食恐怖症を発症したきっかけに、学校や家庭における『完食指導』の影響があると考えていますか?」

私が代表を務める一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会では、会食恐怖症に悩む当事者の方にそのようなアンケートをとったことがある。

結果は、回答者384人中、

・はい=240人(62.50%) 
・いいえ=75人(19.53%) 
・分からない=69人(17.96%)

というものだった。

 

実際、私のところに今では、会食恐怖症の当事者だけではなく、たとえば「学校給食で完食の強要を受けて不登校になってしまった」というような保護者からの相談も届く。

具体的には

うちの子は自閉症で牛乳が飲めないことを事前に伝えていた。それなのに5時間目45分間ずっと牛乳を飲ませられた

元々は給食が好きな子だったのにも関わらず、教師におかわりを強要されたことがトラウマで拒食になった

娘が給食を完食しなかったことで、クラス全員の前で怒鳴ったり嫌みを言われたりした。現在は学校へ2ヵ月行けていません

など、「本当に今の時代に行われている指導なのか?」と思うような相談も届いているのだ。

当然、給食における残飯などはなるべく少ない方が良いだろう。だが、果たして今の教育現場にて行われている、そのための方法は最適なものなのだろうか?

食育に力を入れている学校がやっていること

私はそのような実態に疑問を感じたと共に、世の中の食事指導(食卓におけるコミュニケーション)というコンテンツの未熟さを実感し、そのノウハウを研究している。実際、食育に力を入れている保育施設や学校に出向き、半年間で400人を超える子どもたちと交流しながら食事指導(食卓におけるコミュニケーション)のノウハウを研究してきた。

そんな中で、今広く浸透している常識は間違っていると思う事がいくつかある。1つ挙げると、「残飯ゼロ対策」として行われがちな「給食で居残り」は実は”デメリットしかない”という事だった。

これを説明するにあたって「食欲とはどういう時に出るか?」という事を共有しておかなければならない。