「かつてない監督」へ…
過去の日本代表監督はいずれもスタッフを連れてきているし、ヴィッセル神戸のファンマ・リージョなども同様である。栄光に浴するのも、クビになるのも一蓮托生。当然だが、主(あるじ)である監督が解任され、コーチの一人が監督になるなど言語道断である。
「決して許さない!」
かつてヨハン・クライフは、自分が解任された後に監督として残ったコーチ、カルラス・レシャックにそう怒り心頭に発し、絶縁状を叩き付けたほどだ(後に和解)。
世界では、コーチはコーチであり続けるケースも多い。コーチが監督になることもあるが、相応の覚悟が必要になる。そして監督は、たった一人の決断者として孤独を背負わなければならない。
ロシアW杯、西野朗監督は日本代表を率いて泰然とした采配を見せた。西野監督は現役引退後、U−20代表監督から指導者キャリアをスタートし、J1リーグ最多勝記録を持つ。「お殿様」と揶揄されるほど、生まれながらの監督だ。
一方、宮本監督も「監督」としてのキャリアを重ねつつある。山や谷はあっても、日々が糧になるだろう。12月1日、J1最終節の柏レイソル戦で勝利すると、クラブ新記録の10連勝となる。
異彩を放つ日本人指揮官の台頭が待望される。
