ガンバ快進撃の要「宮本恒靖監督」は日本サッカーのボスになれるか

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小宮 良之 プロフィール

日本の監督は「先生」っぽい

今シーズン、不振のレアル・マドリーを緊急的に率いるようになったサンティアゴ・ソラーリ(42才)も、監督として形成された例から漏れない。マドリーやインテル・ミラノで何度もタイトルを勝ち取った選手だったが、引退して1年後、マドリーのアカデミーで指導者としてスタート。その後、U−16・19の監督を歴任、セカンドチームであるカスティージャで監督を務め、今回、シーズン途中で抜擢されることになった。

その流れは、いくらか宮本とも重なる。

「カテゴリーは違うが、監督としての腰が据わっている」

そう言われて評価を高めたソラーリは、暫定監督から正式監督の座をつかんだ。

言うまでもないが、世界でもコーチから監督になったケースはいくつもある。それぞれのキャラクターや状況次第で、一概には言えない。たしかにコーチとして、様々なことを知り、身につけるアドバンテージはある。物事をアジャストさせ、監督と選手のパイプになる、という経験は糧になるだろう。

 

しかし長くコーチをすることで、監督になるときには、必然的に選手時代の熱は薄れている。そして良くも悪くも、人に気を遣う習性が身につく。敏感ではあるが、繊細さを多分に身につけてしまい、結果として、海外の監督のような泰然とした「ボス」の風格は消えてしまう。

かつてインタビューしたフランク・ライカールト(オランダ代表、バルセロナ、ガラタサライの監督を歴任)は、インタビュー中も煙草をすぱすぱ吹かし、煙をくゆらせながら、「フットボールとはなにか? エモーション。それだけだ」と言い放っていた。そんなふてぶてしくも、絵になるリーダーは出にくい環境にあるだろう。

日本では、"いい人"、もしくは“先生”という印象の監督が多い。善良すぎるというのか、リーダーとしての角までが取れてしまっている。それは指導者として育ってきた環境の違いだろう。

欧州や南米では、監督はボスとして絶対的な立場にいる。監督とコーチ陣は、主従関係に近い。監督がチームに就任するときは、ヘッドコーチ、GKコーチ、フィジカルコーチ、戦略担当などをセットで契約している。

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