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対中攻撃のやりすぎで、米経済に「トランプのブーメラン」が直撃中

市場関係者はそこに期待するが…

「交渉決裂から追加関税」路線の現実味

12月1日夜(日本時間2日午前)、世界の市場関係者が固唾をのんで見守っているドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の夕食を交えた会談が、主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議が開催中のアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで行われる。

米中貿易戦争は「一時停戦」で合意をみるのか、それとも「決裂」してトランプ政権が来年1月1日から2000億ドル(約22兆7600億円)の中国製品への関税を10%から25%へ引き上げ、さらに数ヵ月以内に残り2670億ドル(約30兆3800億円)の中国製品に対する関税リスト第4弾を発表することになるのか、予断を許さない。

この2つの、真逆のシナリオの中間と言っていい「妥協」のシナリオも考えられる。すなわち、来年初頭からの関税引き上げ発動の有無について、米中両首脳は意図的に曖昧のまま会談を終えて今後の協議次第とするシナリオである。

それにしても、である。関税を25%に引き上げる可能性は現実的なリスクであることに違いはない。米中首脳会談に先立つ11月30日午前(同30日夜)、これまでワシントンと北京で2回ずつ計4回会談しているスティーブン・ムニューシン財務長官と劉鶴副首相が事前協議する予定になっているが、トランプ大統領のムニューシン財務長官に対する不信感が強いことから同協議が単なる通過儀礼に終わる可能性が高い。

 

ブエノスアイレス市内のレコレータ地区にある5つ星「パラシオドゥハウ・パークハイアット」で開かれる夕食会には、米側からトランプ大統領、ジョン・ケリー大統領首席補佐官、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)、マイク・ポンペオ国務長官、ウィルバー・ロス商務長官、ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、中国側から習近平国家主席、劉鶴副首相、丁薛祥共産党総書記弁公室主任(習氏の最側近)、楊潔篪共産党政治局員(外交責任者)、崔天凱駐米大使らが出席する。

この面子と、トランプ、習両首脳の波長が合うとされていることから、中国側のボトムラインは両首脳が夕食を楽しみながら会談することにある。そこを突破口にするしかないという”一発勝負”だ。

とは言うものの、これまでの実務交渉責任者協議(デビッド・マルパス財務副長官と王受文商務次官)や閣僚級協議(ムニューシン財務長官と劉鶴副首相)が首尾よくいかなかったことや時間的制約などで、トランプ・習近平会談後の米中共同声明発表に漕ぎ着けることは至難である。