# インバウンド

京都で観光客排斥運動が起こる恐れアリ…!インバウンドの深き闇

「ここまで来たか!」の驚きの実態
村山 祥栄 プロフィール

交通課題はバスだけに留まらない。観光地での歩道の混雑は日常茶飯事、土日の道路混雑も年々酷さを増している。

京都の交通インフラは、147万人の市民とせいぜい4000万人程度の観光客(地下鉄東西線開通時は3000万台で推移)を想定されており、また観光スタイルも昨今のようなスーツケースを持ち歩く個人旅行ではなく、従来は団体旅行が中心だった。この10年だけ見ても公共交通の旅客数は2割以上増加し、キャパオーバーしてくるのは当然のことである。

観光客で溢れかえる京都市内のバス停。photo by Shoei Murayama

崩壊する市民生活

「毎日寝られない! いい加減にしてほしい」

そう訴えるのは、隣家が民泊になって困惑する吉田ひとみさん(仮名・40歳)だ。ある日突然、隣に民泊が誕生し、トラブルになるケースが多発している。深夜にもスーツケースを引く音が閑静な住宅街に鳴り響く。

彼女の家は民泊ではないが、民泊の場所を間違えたり、民泊の場所を聞きにくるなどされるという。ケースはまちまちだが、突然自宅の呼び鈴が鳴り、外国人観光客が聞きなれない言葉でまくし立てられることが頻発しているのだ。

 

外国人観光客が夜な夜な騒ぐことは日常茶飯事で、町家が多い東山区を中心に住民が悲鳴をあげる。民泊に対する苦情件数は年々増加し、民泊の法整備が整った今も京都市は民泊に独自ルールを設定し厳しい規制をかけ、京都市内では実質民泊の開業ができない状況になっている。

宿泊施設の確保の問題以上に、住民の怨嗟の声が大きくなったことを表す象徴的な事案である。

京都市では独自条例で民泊を大幅に規制、さらに民泊通報・相談窓口をフル稼働されたため、新設は激減し、違法民泊はことごとく廃業に追い込まれた。しかし、民泊規制が強化された結果、簡易宿泊所の新設の方が設置が容易になるという逆転現象が起こっており、一服感はあるが簡易宿泊所はいまだに建設され続け、住民の拒絶反応は変わらず根強い。