ある小学校の低学年担任の先生たちとの雑談。毎日、とても忙しくてたくさんのノートやドリルを持って帰る日々が続くと嘆く。働き方改革の掛け声は勇ましいが現場にはなかなか届いた実感はないと愚痴も続く。
では、先生たちはノートやドリルを持って帰って何をしているのかというと、当然せっせと答えあわせにいそしんでいるわけである。でも、翌日、たくさんの時間を費やしたノートやドリルを子どもに返しても、彼らはほとんど振り返ることはせず、そのままカバンに押し込んでいるのが現実と嘆く。
でも子どもの気持ちもわからなくはない。自分が取り組んだドリルなどはその直後に正解かどうか知りたいと思っているはず。時間を経て返されても熱は冷めてしまっている。
では、どうしたらいいのだろうか。
答えは簡単。ドリルなどは取り組んだ直後に自分で答え合わせをするように育てるのがいい。私は一年生からでもそうさせることが大切だと思っている。いや、ちゃんと教えれば幼稚園の子どもにだってできる。そしてこれは家庭学習でも同じ。
さすがに家庭学習の時は、熱心な親はそばですぐに答え合わせなどをして、間違いを修正してあげるのだろうが、ここも一歩引いて子どもたちに自分でさせてみよう。
実は答え合わせを自分でするという行為そのものに、「思考力を育てる」のによい場面がたくさんある。
家庭でも、試しに答え合わせの方法を教えて、我が子の自己採点を少し離れて見守ってみてほしい。すると、けっこう悪戦苦闘している我が子がいることに気がつく。
まず自分が今取り組んだ問題の答えのページを探すだけでも一苦労。もしかしたらこの時点で「ねー、どこに答えがあるの」とすぐに親に頼るかもしれない。
でも放っておこう。見つけられなくてイライラして投げ出す子か、根気よく探す子か。さらには解答のページが見つからないのにいい加減に〇を付けて誤魔化してしまう子か。
こんなところでも、我が子の育ち方がよく見える時間がある。