# フランス人

フランス人の「人付き合い」が、日本とここまで違うワケ

個人主義とも、ただの親切とも違う
横川 由理 プロフィール

とはいっても、友人が意識を失って頭の上を運ばれたとき、ポケットに入れていたカメラを引っ張られ盗まれそうになったと話していました。

意識がもうろうとする中、必死にカメラを押さえて抵抗したそうですが。

 

フランス人は常に親切とは限らない?

このように日常生活では、親切を受けることが多くあります。しかし、フランス人が常に親切というわけでありません。

こんな経験もあります。薬局で薬を買ったときに事件は起こりました。いじわるというよりも、自分の間違いを認めないというイメージでしょうか。

薬を購入するときは日本と同じく医師に処方箋を書いてもらい、薬局で購入します。日本では処方された日数分きっちりの薬を購入しますが、フランスでは、1箱単位です。たとえば、1日3錠を14日分処方されたとしましょう。全部で42錠必要となりますが、薬1箱には30錠入っている場合、2箱購入しなければなりません。余った18錠は捨ててしまうので、もったいないお話です。

さて、場面は薬局で処方箋を出したところ。

店員さんに「今、1箱しかないわ。明日取りに来てくださいね」と言われ、2箱分支払う。帰宅後、処方箋をよく見ると1箱で足りることが判明。翌日、同じ薬局で、

「昨日の薬、1箱で足りますよ。お金返してください」
店員さん「あら、私、計算間違えなんてしないわ」

カウンターにある電卓を指さしながら

「計算してみて」
店員さん「あら、あら。でもあなた保険に入っているんでしょ。もうひと箱買いなさいよ」
「要りません」

店員さんは奥の責任者に向かって、「昨日のお客さん、2箱買ったのに1箱返品したいって言うのよ」。私は「あなたが計算を間違えたんでしょ!」と、奥に向かって叫ぶーー。

〔photo〕iStock

このように困ったことに遭遇することもありますが、人との交流が心温まることも多いものです。たしかに、フランス人は、あいまいな表現をしません。嫌なものは嫌、出来ないことは出来ない、はっきりと意思表示をするのです。私たちにははっきりと意思表示を行う人をきつい人とか、個人主義だと感じてしまう面があるのでしょう。

もちろん、薬局の店員さんのような例もあるかもしれません。でも、それは個人主義という意味ではないように感じます。人とぶつかったときも、「失礼。大丈夫ですか?」「大丈夫。ありがとう」と必ず会話があります。人の足を踏んだり、ぶつかったときに知らんふりすることはありません。もっとも、日本の場合には、通勤中など何回も「失礼」「大丈夫です」を繰り返すことになりそうですね。

他人に対して関心がある人と、無関心な人がいるのも事実ですが、自分であれ、他人であれ、個人を尊重することが個人主義です。フランス人は世間で言うほど、冷たくはないという印象を受けました。人と交流をすることに喜びを感じているのでいるのでしょう。