# フランス人

フランス人の「人付き合い」が、日本とここまで違うワケ

個人主義とも、ただの親切とも違う
横川 由理 プロフィール

フランスでは挨拶をしないのは「変な人」

3.店員さんとお互いに挨拶

フランス人はひんぱんに挨拶し合います。たとえばお店に入ったとき日本では「いらっしゃいませ」と店員さんから挨拶されますが、お客側は何も言いません。

フランスの「いらっしゃいませ」は、「ボンジュール(おはよう、または、こんにちは)」です。言われたお客側も店員さんに対して、「ボンジュール」と挨拶を返します。挨拶しないと変な人だと思われてしまいます。

フランスのお店に入ったら「店員さんから冷たくされた」という話を聞きますが、きっと、「ボンジュール!」と言われたのに無視してしまったからかもしれませんよ。店員なのにと思われるかもしれませんが、挨拶したのに無視されるのはイヤなものですね。お店から出るときは、たとえ何も買わないときでも、お互い「さようなら」と挨拶します。

〔photo〕iStock
4.目が合ったら必ず微笑む

町を歩いていると反対から歩いてくる人とよく目が合います。目が合ったらお互いに微笑むのがフランス流。間違っても目をそらしてはいけませんよ。でも、日本で知らない人に微笑みかけると、変な人と思われてしまうかも。微笑んだ相手が異性だったら、あらぬ誤解が生じてしまうかもしれませんね。

 
5.ロックコンサートでは、意識を失った人をみんなで助ける

ずいぶん昔の話しで恐縮ですが、1978年、札幌で開催されたリッチー・ブラックモア&レインボーのロックコンサートで女性が死亡するという痛ましい事件がありました。観客がステージをめがけ殺到した結果、下敷きになってしまったのです。

この前年、エアロスミスのコンサートで武道館へ行きましたが、当時、客席の通路を遮断する鉄製の柵はなかったのです。誰でもステージめがけて走り出すことができました。左右、後ろからと押され、もみくちゃ状態。大きな事故が起こっても不思議ではない状況です。この死亡事故をきっかけとして、鉄製の柵(ガードフェンス)がコンサートに登場したという経緯があります。

フランスのコンサート事情は、日本と大きく異なります。ロックコンサートはサッカー・スタジアムで開催されることが一般的で、席の指定はありません。騒ぎたい人はステージ前へ、ゆっくり聞きたい人は2階席などに座ります。スタジアムですから1階に席は設けられていません。

午後3時くらいにゲートが開きます。熱烈なファンは、オープンゲート前から並んで待機。オープンと同時にステージ前へ走ります。押し合いへし合い、目当てのミュージシャンが出てくるのを待つわけです。

暑い季節の場合は、ステージ前にいる警備員がホースで水を掛けて、クールダウン。そうです。フランスではコンサートにおしゃれをしていく人は少ないのです。汚れてもよい恰好で、小銭程度をポケットに入れ、手ぶらで行きます。おしゃれをしたい人は2階席で見ましょう。

コンサート中はビールも飲めます。以前は煙草も吸えましたが、現在は禁煙法があるのでNG。

コンサートが始まると、特にステージ前では興奮したり、酸欠で倒れる人が出てきます。自分のそばにいる人が意識を失ったことに気がついたら、周りの人が協力をし合って倒れた人を頭の上に引っ張り上げます。みんなの頭の上を胴上げリレーのように運んで、ステージ前の警備員に引き渡すのです。このように意識を失った場合でも、事故が起こらないルールが暗黙のうちに出来上がっています