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# マネジメント

海外赴任先や転勤先で「動じない人」たちが必ず備えている、ある条件

北欧企業の組織マネジメントに学ぶ
北欧企業の成長要因は「異文化適応能力」です。これは人が能動的に動く組織に変えるマネジメントに欠かせない要素でもあります。『肩書を減らすと業績が急改善する 北欧流小さくて最強の組織づくり』(講談社刊)では、異文化コミュニケーションが必要な環境でビジネスを遂行していくためには、精神的な安定度が保たれていることが非常に重要だと説いています。
それがいちばんわかりやすいのが、海外へ駐在員として派遣される人の場合です。派遣先において、これまでまったく経験したことのない異質な出来事に次々と遭遇しますので、それによって、ときには非常に大きなストレスが心身にかかることがあります。では、押し潰されないために何が必要でしょうか。

人としての「安定度」が高いかどうかがキーになる

国内での仕事にあてはめると、配転や転職によって、これまでとはまったく異なる環境で仕事を始めるときに、大きなストレスがかかります。

そうしたストレスに押し潰されずにうまく組織をマネジメントしていくためには、その人がもともと持っている安定度がものをいうのです。

「安定度」には、心理状態の内的安定だけでなく、社交性や活動性など周りの人とうまくつきあっていくことに関する能力の度合い、外的な安定度の要素も含まれています。それらを併せてみることで、異文化環境でうまくやっていけるかどうかを測るわけです。

 

部下がいつも顔色をうかがわないといけないような気分屋の上司では、とても安定度が高いとは言えませんので、異文化適応能力は、低いとみなされるでしょう。逆に、「自分の殻に閉じこもらずに人づきあいができる」上司ならば、安定度は高いと言えます。

この安定度は、「対人的安定度(インターパーソナル・スタビリティ)」と「心理的安定度(イントラ・パーソナル・スタビリティ)」のふたつの要素から判定されます。

「対人的安定度」が高い人の条件

環境の大きな変化が起こったときでも、協調性や社交性、活動性を持っている人は、周りとうまくつきあっていけますので、異文化適応能力が問題になることはあまりありません。

ところが、もともとそうした対人関係を築いていくことが難しい気質を持っている人の場合は、慣れない環境に置かれただけで、精神的にすっかりまいってしまう事態になりかねません。その結果、コミュニケーションがうまくいかずにストレスが増大して、ますます悩むという悪循環に陥ってしまうのです。

そこで、周りの人とどの程度安定した交流ができるのかをみるのが「対人的安定度」です。

この能力に欠けている人は、自分の殻に閉じこもってしまい、部下ともコミュニケーションがうまくゆきませんので、少し難しい局面になると、とたんに冷静沈着な対応ができなくなってしまいます。