任天堂「マリオカート裁判とネットで大拡散したクッパ姫」を読み解く

先日発表された「ガイドライン」も話題
木村 剛大 プロフィール

二次創作をした人の権利

最後に、二次創作をした人の権利について、もう一歩踏み込んで考えてみよう。

仮にクッパ姫がクッパかピーチ姫の二次的著作物、つまり、任天堂の許可が必要な範囲の表現物だとした場合、任天堂の許可を得ないでクッパ姫を描いたクッパ姫の作者は、他の人がクッパ姫をコピーして使用したときに自分の著作権を主張できるのか?

【許可なく創作した二次的著作物の創作者の権利】

実はこれはクッパ姫の作者は、他の人が創作したクッパ姫について自分の著作権を主張できるという回答になる。

仮に二次的著作物で元の著作権者の許可なしで描いたとしても、クッパ姫自体の著作権は創作者に発生するからだ。二次的著作物だと仮定したときにクッパ姫を使用したい人は、クッパ姫の作者とベースになった著作物の権利者である任天堂の許可の両方を得ることが必要になる。

 

おわりに

任天堂の対応は、マリオカートの件では裁判で差止めを求める一方で、クッパ姫に関してはノーコメントというものだった。

任天堂は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに「SUPER NINTENDO WORLD」というアトラクションをオープン予定と公表されている(プレスリリース)。

マリオカートの実写版アトラクションのようなMARIモビリティのサービスがこのプロジェクトと競合するという側面もあるだろうし、何よりも公道で事故などが起こって任天堂キャラクターのイメージに傷がつくことも懸念したのだと推測する。

他方で、クッパ姫のほうはそもそも任天堂のキャラクターの権利の範囲外という可能性が高いこともある上、好意的な反応でもあったために特に何か対応することはないという判断かもしれない。

もし「SUPER NINTENDO WORLD」にクッパ姫がサプライズで登場したら、 Twitterであらためてクッパ姫が駆け巡ることだろう。