Photo by GettyImages

元経済ヤクザが大胆指摘!「ゴーン氏逮捕にちらつく米国の影」

こんなこと、日本だけではできないはず

日産の事件を「社内の内紛」と見るむきがあるが、私はアメリカの外交政策に変化があり、その影響が日産にも波及したのだとみている。報じられた、オフショアを使った資金移転などは、黒い経済界の古典的なやり方で、そうした情報を世界で一番保有しているのがアメリカだ。

アメリカからの情報提供がなければ、ゴーン氏の逮捕になど踏み切れなかったはずだ。すなわち、そこにはアメリカの影響があったとみている。中間選挙以降変容するアメリカの外交政策と、ゴーン事件の関係を元経済ヤクザの視点で分析した。

 

ゴーン事件とアメリカの関係

11月6日に行われた米中間選挙では、上院は共和党、下院は民主党が多数派となり、「ねじれ」が生まれた。勝敗についての評価は二分しているものの、保守系メディアは「勝利」、リベラル系メディアは「敗北」という論調で報じている。

政治は金融の流れに大きな影響を与えるファクターだ。金は政治に夢をみないし、論調に左右されることもない。誰が儲かるのか――その分析欲求こそ、この世界に生きる者の宿痾である。

2007年参院選後の自民党・福田政権や、10年参院選後の民主党・野田政権など、日本人にとって「ねじれ」とは国会空転を意味する。しかしアメリカ大統領のドナルド・トランプ氏(72)は、選挙翌日「上院勝利は歴史的快挙」と自画自賛した。

中間選挙後のトランプ大統領の会見

1938年以降に行われた中間選挙で政権与党が勝利したのはわずか2回で、下院の敗北は折り込み済みと考えるべきだろう。反対に上院で所属政党の議席を3伸ばしたのは、ケネディ以来で、共和党内には反トランプ派もいるなかで、「ミニ・トランプ」と呼ばれる議員が当選したことで、党内を一本化することに成功した。

また、アメリカの二院制は、いわば分業制で、大きく分ければ上院が外交や安全保障を、下院が内政をという役割である。予算は下院の仕事だが、大統領は拒否権を持っているので、空転しても下院のみということになる。

最大のポイントは上院の持つ人事権で、トランプ氏にとって重要なのは最高裁判事を指名できる点だ。

下院の提案に対する拒否権や、大統領令を乱発すれば、最悪の場合裁判を起こされることとなる。連邦の司法権は強力だが、最高裁判事は死亡するか引退しないと交代ができない。その一人、ギンズバーグ氏(85)はクリントン政権で指名された女性のリベラル派で、16年の大統領選挙中に候補者だったトランプ氏を「詐欺師」「うぬぼれ屋」と呼び、トランプ氏が「いかれてる」「辞任しろ」とやり返した関係だ。