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政府主導のキャッシュレス社会は「デジタルファシズム」の前触れだ

ほんとうに国民のためになるのか?

騒ぎになる新技術はたいてい眉唾

最近、マスコミが「キャッシュレス」を騒いでいる。確かに、便利な側面があることは否定しないが、マスコミが急に騒ぎ出すような話は眉唾で聞いたほうがいい。

例えば電気自動車ブーム。8月27日の当サイトの「騙されるな、空前の電気自動車(EV)ブームは空振りに終わる」でも書いたように、消費者目線で考えれば、次世代自動車の本命はどう考えてもハイブリッド車である。伏兵としてはLPG自動車、さらに大穴として水素自動車に注目すべきであろう。

 

電気自動車は、現在の電解質に液体を使用するリチウムイオン電池を使用する限り、主流になるとは考えられない。電解質に固体(イオン部分だけが液体のように動き電流が流れる)を使用する全個体電池は2020年代の前半に実用化されるとの報道がある。

確かに、私も全個体電池のスペックを調べて、その素晴らしさに感嘆しているが、「素晴らしい技術」と「素晴らしいビジネス」は別物である。

例えば、2004年に制作されたエリーカという8輪駆動の電気自動車を覚えている読者も多いだろう。インホイールモーター(8輪すべてにモーターが内蔵)という革新的な仕組みで最高時速370キロを記録し、当時の話題をさらった。

2009年には「SIM-Drive(シムドライブ)」という会社を設立したが、5億円かかった試作車を大衆化・量産化することには失敗したといえるだろう。その後に出てきたてテスラは、技術的には寄せ集めでエリーカの足元にも及ばないが、ビジネスとしては大成功した。もっとも、現在は苦境に立たされているが。

それでも、電気自動車が次世代カーの王道のような話が無くならないのは、まず、ガソリン自動車やハイブリッドでは、共産党政権の中国や欧米のメーカーは日本メーカーに全く歯が立たないからだ。だから、「環境」を大義名分に電気自動車の普及を法律の規制を使ってまで推進しようとする。

日本や米国の自動車会社は、GMなどの一時国有化などは例外として基本的にすべて100%民営企業である。しかし、今回のゴーン事件で明らかになったように、自動車メーカーはたとえ100%民営でも、国策会社なのである。

また産業界においても、電池、モーターには大きな期待がかけられているし、パナソニックや日本電産をはじめとする企業は大型の先行投資もしている。

もし、思ったほど電気自動車が普及しなければ彼らは大いに困るが、消費者に不都合なことは何もない。

突然聞こえ始めた「キャッシュレス推進」の声の裏にも同じ構造が見え隠れする。