ドラマでゲイの役が出てくるけれど…

日本のテレビや映画を見ていて、ずっと疑問に思っていることがあるんです。

ストレート(異性愛者)の俳優がゲイの役を演じることはあるのに、どうしてゲイの俳優が異性愛者を演じることはないんだろう、って。

ハリウッドでは、今や多くの俳優が、自身が同性愛者であると公表しています。

エマ・ワトソン主演のディズニー映画『美女と野獣』で、悪役ガストンを演じたルーク・エヴァンス。
ドラマ『プリズン・ブレイク』で主演したウェントワース・ミラー。
映画『007』シリーズで、ジェームズ・ボンドの補佐役「Q」を演じるベン・ウィショー。
映画『羊たちの沈黙』のジョディ・フォスター。
ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』のミランダ役、シンシア・ニクソンなどなど。

『プリズン・ブレイク』で文字通りブレイクしたウェントワース・ミラー。ロシアの映画祭に招待された際に、『同性愛プロパガンダ禁止法』が成立していることを理由に丁重に招待を辞退したことでも話題を呼んだ Photo by Getty Images

カミングアウトの時期はそれぞれだけど、デビュー当初からオープンにしているルーク・エヴァンスは、「ゲイだからって、俳優としての人生に支障が出たことはない」とインタビューで答えています。

同性愛を取り扱ったフィクションは、日本でも昔から数多く輩出されていますが、特に近年は、ゲイのキャラクターが登場するドラマや映画が軒並みヒットしています。
『おっさんずラブ』はBLドラマながら大きな話題をさらったし、妻夫木聡は映画『怒り』でゲイ役を熱演し第40回日本アカデミー賞 最優秀助演男優賞を受賞しました。

大ヒットした『おっさんずラブ』はいまも配信している テレビ朝日「おっさんずラブ」公式ページより

エンターテインメントの世界では、これだけセクシュアリティ(性的志向)の垣根が越えられているんだから、ゲイの俳優がストレートの役を演じても良いはずじゃない

それなのに、そもそも今、日本の映画やドラマに出演しているメジャーな俳優で、自分が同性愛者だとオープンにしている人は、見当たりませんよね。
これは一体どういうこと?

日本でのゲイ俳優の成功は不可能か

元彼のように、セクシュアリティを知られまいと、将来の成功を夢見るゲイの俳優の卵が、日本には何十人、何百人いるんだろう。
もしかすると、すでに成功している人気俳優の中にも。

元彼はイケメンだったし、若手俳優ともなれば、いかに女性ファンを増やせるかが成功を物語る世界。ゲイだと知られてしまえば、そのマーケティングの流れに乗れなくなってしまう。
あるいは、同性愛者という色眼鏡で見られず、俳優としての実力で評価されたいというプライドもあるのかもしれないね。

本人の意向であるか、所属事務所やスポンサーなどの意向であるかはさておき、今の日本でゲイの俳優がセクシュアリティをオープンにしつつ成功するのは、やはり難しいことなのかもしれません。