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健康そのものだった52歳ライターが、心臓発作で死にかけた話

完全に他人事と思っていたら…

ランニングを欠かさなかったのに

「心臓発作? いや血液も血圧も問題ないし、検診で心臓が引っかかったこともないし」
「自分には関係ないかな。週末はランニングとか、運動もしてるから」
「睡眠不足とか過労で、無理している人が危ないんじゃないの、やっぱり」

心臓発作と聞いて、こんな言葉が出てくる人は決して少なくないだろう。自分には縁遠い話。特に健康診断で指摘を受けたわけでもなければ、心配することもない。やはり事前に予兆のようなものもあるんだろう……。

実は私もそう思っていた。ところが、である。そんな私がまさかの心臓発作を起こし、危うく命を落とすところだった。

 

私はフリーランスで文章を書く仕事をしているが、この職業は不健康な暮らしのイメージをされることが少なくない。私自身はそれがものすごく嫌で、あえて健康的な生活を心がけ、書く仕事のイメージを変えたい、などと著書でも書いてきた。

仕事で無理はしない。土日は必ず休むし、徹夜は絶対にしない。タバコも吸わないし、週末はランニングを欠かさない。入院したこともないし、今年は病院に一度も行っていなかった……。だが、心臓発作はやってきたのである。

しかも、担当医にはっきり言われたのは、「事前に人間ドックに入っていたとしても予兆は見つけられなかった」ということ。血液や血圧に事前に問題がなくても、健康診断で心臓に何も出ていなくても、心臓発作は起こり得る。

だからこそ、これは多くの人に知ってもらわないといけない、と思った。知っているかいないかで、万が一のときに命が助かるかどうか、大きく左右されるからである。

なんだか喉が苦しい…

発作が起きたのは、11月5日、月曜日のこと。前日の日曜日はいつものようにランニングをし、しょっちゅう出かけるスーパー温泉に行き、マッサージも受けていた。リラックスした週末が明け、普段と変わらぬ週の始まりのはずだった。

まず、驚いたこと。それは、心臓発作は必ずしも心臓のあたりに異変を感じるわけではない、ということである。私の場合は、喉のあたりの異変だった。朝、布団の中で目が醒めたとき、喉が詰まったような感じがしたのだ。

どうにもいつもと違う。しかも、仰向けになっていると、より違和感が増す。上半身を起こして、手を上に向けて伸ばしたりしてみたが、変わらない。もう一度、仰向けに横になるが、よくなる気配はない。むしろ、さっきより違和感は高まった気がする。

2、3分して、もしかして、喉が渇いているのではないか、と寝室近くにある洗面所に行って水を少しだけ飲んだ。布団に戻ったが、やはり改善しない。さすがにこれはちょっとヘンだぞ、と思ったが、このときはまさか心臓発作などとは思わなかった。なぜなら、心臓のあたりに違和感があったわけではまったくなかったからだ。

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とりあえず10分だけ我慢してみよう、と思った。すると、苦しみはどんどん増し始めた。背中や顔から冷や汗も流れ始めた。最もラクな体勢は四つん這いになることだったが、そのうちマクラを抱えて身動きが取れなくなった。

妙なことなのだが、苦しみながらもむしろ頭はフル回転していた。この苦しさは一体、何なのか。仮に車で病院に行ったとして、喉のあたりがおかしい、というのは何科に行けばいいのだろう、などと考えていた。ふさわしい科がない、それなら救急車を呼んだほうがいいのではないか……。