ゴーン事件、新聞各紙を読み比べると見えてきた「問題の核心」

ポイントは最初の3日間に詰まっていた
プチ 鹿島 プロフィール

報酬報道

次のポイントにいこう。それは「グローバル化」である。

興味深い指摘をしたのは日経の11月21日の社説。報道2日目。

《日本の企業トップの犯罪は私利私欲によるものは少なく、かつての山一証券が典型だが、組織の体面や存続を優先するあまり、過去の損失を隠蔽するなど一線を越えてしまうケースが多かった。

一方、米欧では粉飾決算の末に破綻した米エンロンのように、経営者の「私腹を肥やす」型の不正が目立つ。ゴーン会長の容疑は後者の系譜に属するだろう。》

劇薬には効果もあれば副作用もあるということか。グローバル化についての処方箋にも読めた。

 

しかし、ゴーン氏の報酬はそんなに多かったのか。翌日に詳しい記事があった。報道3日目の記事。

『高額役員報酬、米欧流の波 1億円以上、国内上場企業で最多538人』(朝日新聞11月22日)

記事によれば2018年3月期決算で国内上場企業の報酬トップだったのは、

《ソニーの平井一夫会長の27億1千万円。2位にソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長の20億1千万円が続いた。トップ10の半数は外国出身者だ。》

《ゴーン会長は逮捕容疑の対象となった5年間に年間約20億円の報酬を受け取ったとされる。それでも米大企業の役員とほぼ同水準か、やや少ない程度だ。》

ちなみにアメリカでは、

《17年のトップは半導体大手ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)の約116億円。自動車大手ではゼネラル・モーターズのメアリー・バーラCEOが約24億7千万円、フォード・モーターのジム・ハケットCEOが約18億8千万円だった。》

では、日米で役員報酬の水準に違いがあるのはなぜなのか?

《日本企業の場合、従業員が内部昇格する「サラリーマン社長」が一般的だが、米大企業は経営手腕に優れた外部人材を競うように雇う。東京商工リサーチの坂田芳博氏は「グローバルな人材を確保しようとすればどうしても報酬は高額になる」と指摘する。》

やはり、ここでも出てくるのは「グローバル化」なのである。