画/おおさわゆう

みんな大好きなサプリメント、効くのか効かないのか?ある医師の見解

覆面ドクターのないしょ話 第42回
セサミン、グルコサミン、コンドロイチン、……。数年前までは馴染みがなかったカタカナ言葉が、スラスラ口から出てくるようになったのはいつからだろう。健康ブームによって市場が拡大しているのだろうが、サプリメントのテレビCMはまるで洪水のように増えてきた。中年以降の世代で、一度もサプリメントを飲んだことがない人は少ないのではないだろうか。はたして、サプリメントは効くのか。その効果が気になったので、日々、お年寄りの治療にもあたっている次郎先生に聞いてみると、返ってきたのは、まるで宗教家のような答えだった。――「信じる者は救われる」
 

私は「おまじない」だと思って使っている

「これで脊柱管狭窄症が治りました!」

「えっ? これで……治ったんですか?」

腰痛でお悩みのおじいちゃんが手にしていた物……それは薬ではなかった……。

さて、私は日頃、東京下町の病院で診療をしている。待合室はお年寄りたちのサロンと化している。特におばあちゃんたちは、ここでおしゃべりしていくのが楽しみなのだ。下町のおばあちゃんたちときたら口さがない。

「先生の処方した薬、全然効かないじゃないのよ!」

などと言いながら診察室に入って来る。特に70代以降の方たちは、外来で大きな独り言をつぶやく。

「明日はどうなるかわからないわよ」

1年後、2年後というスパンではない。1日1日が大事だというのだ。だから健康に良いものには興味津々だ。

「先生、サプリ飲んでもいい?」
「サプリって効くの?」

外来でお年寄りによく質問される。

個人的には、悪徳商品でない限り、私はどのサプリメントも否定しない。科学的根拠などというものを持ち出そうとも思っていない。商品にお金を払った本人が満足すればいいのだ。効果が出ないと文句を言うのは、商品に対する信心が足りないからではないか、信じる者は救われる、と思えなくもない。

身も蓋もない言い方をすれば、サプリは薬ではないのだから、よほどの偏食者でない限り、薬のようには、

「効かない」

というのが私の結論だ。

実は私もマルチ・ビタミンとかコラーゲンのサプリメントを飲んだりするが、「おまじない」だと思って使っている。だが、偏った食生活をしている人に、栄養補助としてサプリメントなどを使うことは無意味ではないとも私は考えている。

サプリメントに薬のような効用があると考えて飲んでいる人も多いのではないだろうか(photo by istock)

健康に良さそうな商品といえば、まずは青汁だ。

青汁といえば、一人の人間の長い苦難の道のりにスポットを当てる例のCMが有名だ。たとえば、こんなストーリーだ。

20歳のとき、自分の腕一本を頼りに上京した。日本料理店で働くことになったが、厳しい修行だった。そのつらい毎日を支えたのが今の妻だった。師匠からやっと独立を許され、念願の店を持ち、妻と二人三脚で頑張ってきた。

店が軌道に乗ったある日、夫が倒れた。命は別状なかったが、医師からは生活習慣病に気をつけましょうと言われた。妻が健康管理をするものの、夫が野菜嫌いで困っていた。

「そんなときに出会ったのが、青汁です」

せっかく前半で感動してたのに、話を引っ張った挙げ句、最後に青汁のCMとわかった瞬間、私は「なんばグランド花月」のお笑い芸人のようにひっくり返ってしまった。