ビットコインの価格、それでも「下げ止まらない」3つの理由

節目を割り込んで投げ売りが始まった
田代 昌之 プロフィール

耐えきれないマイナーたちが仮想通貨を換金売り?

先週末、ビットコインSV側のマイニング企業CoinGeekが、「ABC側をBAB(Bitcoin ABC)、SV側をBSV(Bitcoin SV)と表記して分離することをコミュニティが受け入れてくれることを望む」と停戦提案的な発言を実施。また、米最大手仮想通貨交換所コインベースがABC側を「BCH」として扱うことを発表している。

ビットコインABC側のアップデートには懸念の声が多いが、ABCとSVはふたつの独立した仮想通貨として存続していく形で安定した状態となったといえるが、この二つの暗号通貨の仕様変更やマイニング形態などを巡り、この後もそれぞれが存続できるのかといった点を懸念する声が大きい。

そして、足元では、この二つの暗号通貨間で繰り広げられているハッシュレートの争いによって、コスト増加に耐えきれないマイナーが手持ちの暗号通貨を換金していると観測されている。ハッシュレートが高いということは、マイニングの速度が上昇、つまり多くのマイナーが参加していることを意味する。

分岐したビットコインキャッシュは、より多くのマイナーを獲得するためハッシュレートを高めたことから、暗号資産の換金売りを誘発したというロジックである。

 

年初来安値を割り込んだことで「見切り売り」が増加

もっともこのロジックは、急落の後付けであることは否めない。

きっかけとなったことは間違いなさそうだが、鉄板といわれていた年初来安値(65万円、6000ドル)を割り込んだことで「見切り売り」が増加したのだろう。

〔photo〕gettyimages

投資家心理としては、数か月間耐えていた年初来安値水準を一気に下回ったことのインパクトは大きい。チャート形状からしても、下値模索の展開となっており、昨年夏頃にもみあった高値圏である30万円台前半が下値めどとして意識されよう。

株や為替と異なりファンダメンタル分析によって割安・割高を判断することができない暗号通貨は、今回のように節目を上回る(下回る)とオーバーシュートする傾向が散見される。

期間を意識(短期的な)した「売られ過ぎ感」はあっても、ファンダメンタル分析に伴う「売られ過ぎ感」が強いか弱いかは判断できない。押し目を狙いたい投資家からしても、価格水準で買いを判断しなくてはならないことから押し目狙いは、正直「度胸勝負」といった格好だ。