「誕生日プレゼントは何がいい?」と子に聞く親に抜け落ちているもの

世代間連鎖を防ぐ子育て論〈14〉
信田 さよ子 プロフィール

プレゼントに子どもへの深い関心をこめる

冒頭に述べたサンタクロースの例にあるように、果たして願いが届くのだろうかと思い、プレゼントが贈られるかどうかと考えてハラハラドキドキすることが、プレゼントをもらう喜びを増します。

「何が贈られたか」、つまり「もの」が問題なのではなく、望みが届いたこと、よき子どもとして認められること、それが恩寵なのです。

子どもにとって喜びの中心は、「与えられる」という受動性にあり、ものはその結果に過ぎないのではないでしょうか。

 

親からのプレゼントも、親から「与えられる」ことが子どもにとって最大の恩寵なのです。

与えるものを親が選ぶためには、何が子どもに喜ばれるか、何を子どもが欲しているかについて思いを馳せることが必要となります。日常生活でセンサーを研ぎ澄まし、子どもに関心を強くしなければ、それを把握することはできません。

言い換えれば、親からプレゼントを贈られることは、親が自分の生活に深い関心を抱いていることの確証・証明なのです。

photo by iStock

このような「受動性」が子どもにもたらす影響を述べましょう。それは、贈られたものが、ときには期待外れであったとしても、受け入れて感謝するという態度を醸成します。

なぜでしょうか。誕生日のプレゼントによって贈られるのは、「もの」そのものではなく、ものを選ぶ背景にある子どもへの深い関心だからです。

子どもは、親が忙しい生活のなか、「あの子はいったい何が欲しいだろうか」と想像し、それを買いに行く時間と労力を使い、当日まで秘密にするという努力を払ってくれたことを一瞬で理解します。

そのすべてに対して、感謝するのです。子どもにとって、ものはそれだけで価値を持つわけではないことを学べる、じつに貴重な機会ではないでしょうか。

愛情という言葉の内実が関心であるとすれば、誕生日プレゼントを選ぶ親を駆動しているのは、子どもへの深い関心、愛情なのです。親は、プレゼントというものに託すことで、じつは子どもへの関心という「愛情」を贈るのだと思います。