ハゲタカジャーナル、ダメ絶対! でも、その横行にはそれなりの理由が……

あなたの知らない査読論文の世界
山田 俊弘 プロフィール

科学者はつらいよ

ハゲタカジャーナルが横行する理由はここにあります。

普通の(そして正しい)プロセスを経て査読論文という業績を得るのは、上述の通り大変なことです。お金でそのハードルをクリアしてしまおうとする科学者が現れ、ハゲタカジャーナルを発行して金もうけをしようとする出版社が現れるのも、理解できないことではありません(かといって許されることでもありませんが)。

ハゲタカジャーナル利用者はごく一部の科学者に過ぎません。ほぼすべての科学者は、普通のプロセスを経た査読論文の出版を目指しています。そして、今日もヘトヘトになりながらペダルを漕ぎ続けているのです。

不安定な期限付き雇用期間中ずっと、ペダルを必死に漕ぎ続ける生活を余儀なくされるのです。最近では、40歳台までこんな生活が続くことが普通になってきました。私自身、「これが本当に、科学業界のあるべき姿のなのだろうか?」と時々考え込んでしまうこともあります。

さて、皆さんに私たち科学者が日々奮闘している査読論文の世界がどんなところか伝わったことを期待しながら、今日のお話を終えることにしたいと思います。私はペダルを漕ぎに檻に戻ることにします。結局私たち科学者は、ペダルを漕ぐことが大好きなのですから。

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論文を書くための科学の手順

【書影】 論文を書くための科学の手順

山田 俊弘 著

B6判 320ページ
文一総合出版 発行
ISBN 978-4-8299-6531-3

2018年10月9日 発売
定価1,944円(本体1,800円+8%税)

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理系大学生や科学を学び直したい人にむけた、科学の論理展開をゼロから理解できる内容。生物学と他分野の違い、科学と非科学の線引き、陥りがちな間違った論理展開を提示しながら、科学論文作成の基本となる考え方を身につけられる。