誘致決定・大阪万博の「本当の経済効果」についての話をしよう

試算だけでは分からない大きなメリット

「負の遺産」再生のチャンス

2025年の万博開催地が大阪に決まったという朗報が、11月24日未明に入った。開催地として立候補していたのは、大阪のほか、アゼルバイジャンのバクーとロシアのエカテリンブルク。フランスのパリが途中で立候補から離脱したのは大阪にとっては好ましく、欧州諸国は日本に好意的だった。

しかし、アゼルバイジャンはオイルマネーにものを言わせたし、ロシアも中国とのタッグでアフリカ諸国を固めて三つ巴の戦いとなっており、予断は許さなかった。最終的に大阪に決まったのは、大阪府と大阪市の歴史上かつてない緊密な連携関係に加えて、国や財界の後押しがあったからこそ。まさにオールジャパンの勝利だったと言っていいだろう。

1964年に五輪を開催した東京は、56年後の2020年に再び五輪を開く。そして1970年に万博を開催した大阪は、55年後の2025年の万博を開くという、日本の2大都市による国際社会への再アピールの機会と言えるだろう。

 

どれほどの効果が期待できるのか、という批判的な声もあるが、大阪の都市開発は1970年の万博が起爆剤になっている。特に都市交通網の整備が著しかった。

今、大阪市の西側には広大な未開発地区がある。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の少し西にある人工島の夢洲(ゆめしま)がそれだ。面積3.9平方キロメートルのほとんどが更地である。東京の臨海副都心(お台場)が4.4平方キロメートルなのでほぼ同規模だ。

夢洲はもともとバブル期の乱開発があったため、大阪の「負の遺産」ともいわれる。大阪市民が訪れることも少なく、忘れ去られた存在だ。だが、鉄道ができれば大阪駅から30分の至近距離だ。

東京のお台場の開発もバブル期に計画が頓挫したが、地道に開発を続けて、その後、多くの商業施設や住宅が建設され、今では成功した再開発モデルになっている。東京では得難い自然環境もあり、都心へのアクセスも容易なので、高い地価も維持している。

東京人の筆者にとって、大阪で夢洲が負の遺産のままであることは信じがたい状況だった。大阪万博は、湾岸の最後のフロンティアといわれる夢洲を有効活用するチャンスだ。

このことは2014年当時、橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事が提唱し始めた。同時に統合型リゾート(IR)の候補地としても夢洲を推している。このまま夢洲を「負の遺産」のままにしておくのか、誘致活動のコストをかけても再生・活用するかの究極の選択となっていたが、維新コンビは後者を選んだわけだ。

さて、これまでの万博誘致コストは、国、大阪府・市、民間団体合わせても30億円程度であった。対して、開催された場合の経済効果は2兆円といわれており、まったく効率的な先行投資だった。これまで夢洲などに投じてサンクコスト(埋没費用)と化していた1兆円が「意味のあった投資」に変わる可能性も考えられる。

今回は、投資決定理論(サンクコスト論)からみても、万博誘致は正しい選択だったことを示そう。