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「愛する」を二つの辞書でひいたときに、元格闘家が気づいたこと

「#辞書の旅」ウクライナ編

「#辞書の旅」続いています

「語彙力の豊かさ=感情の豊かさ」だと私は考えている。敬愛する哲学者、執行草舟さんの思想から作った方程式だ。語彙が増えれば増えるほど感情表現は多彩になり、当然ながら文章にも大いに反映される。

辞書を毎日1日1ページ読み進めるという「#辞書の旅」も、新明解国語辞典第7版における「お」の終盤に差しかかっていたころ、私はウクライナへと遠征に出た。2013年12月だった。当時は同国とロシアとの情勢が、一気に悪くなってきた時期。2014年ロシアによるクリミア侵攻直前だった。私は試合がなくなることだけは絶対に免れたかった。すがる思いでニュースを見ていた。

 

というわけで、こんにちは。空港のセキュリティで止められて「これはなんだ?」「ディクショナリー」「なぜ持っている?」「リーディング」「なに?」「私は毎日辞書を読んでいる。私は辞書に深い情熱を抱いている」という問答をこれまで数回行ってきた英語は片言、日本語はかなり幅広くなってきた佐藤嘉洋です。

ウクライナ

試合までに厳しい練習を重ね、骨と皮の状態になりたがっている身体にムチ打って筋肉を維持させ、経営に影響するまで時間を犠牲にしているのに、試合という仕事がなくなるなんて絶対にイヤだった。

今の時代不謹慎かもしれないが、地震や台風に遭って試合がなくなるなんて、絶対にイヤだ。命ある限り試合をやりたい。最悪死んでもいい。自分はそういう覚悟で試合をしていた。プロキックボクサーを引退した今も、同じ覚悟で仕事に向かっている。私にとって仕事は、命そのものなのだ。仕事がなければ生きていけない。