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争続! 母の財産を盗んだ兄vs母を献身介護した妹、調停の結末は?

母親の預金通帳は兄が管理していた

私は相続対策のご提案とサポートをする夢相続を運営しており、いままでに1万4000人以上の相続相談を受けて、アドバイスやサポートをしてきました。相続は個々に事情が違うため、相続相談としてお会いして状況をお話頂くところからスタートします。

相続されるご家族は多様化しており、離婚や再婚はめずらしいことではなくなりました。配偶者やこどもがいない方も増えてきましたので、相続のあり方も多様化しています。

ご相談の中でも多いのは、相続になってからごきょうだいでもめてしまい、どうしたらいいかという切実な内容です。きょうだいが絶縁になることも少なくありません。親の相続は誰しも経験しなければならないこと。他人事とは言えない事例をご紹介しましょう。

 

倒れて寝たきりになった母を献身介護の日々

Mさんの母親は父親が亡くなってからは1人暮しをしてきました。兄家族は同居するつもりはないようで、嫁いだMさんが定期的に通って母親のサポートをしてきたのです。

母親は70歳のときに脳出血で倒れて、病院に搬送され、緊急手術をしました。幸いに、発見が早かったことから、一命を取り留めることができましたが、右半身が不自由になり、寝たきりに近い生活となってしまったのです。

母親の状態では、自宅に戻って1人暮しをすることはできません。そこで、Мさんが介護を担当することになり、母親名義の家は売却して、Мさんの自宅近くの団地に転居してもらいました。そうしてМさんが介護しやすくなり、母親にはまとまったお金が入り、家賃や介護費用がかかったとしても不安がないようになったのです。

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母親の預金通帳は兄が管理していた

母親の介護費用は、年金から賄える程度で、家賃の負担も多くはないので、自宅の売却代金や父親から相続していたお金などが減っていくことはないと思えました。家の売却は主に兄が実務的なことを担当しましたので、そのまま、母親名義の通帳は兄が管理すると言い、Мさんも任せていました。

Mさんはパート勤務でしたので、毎日母親の家に寄って、食事の用意や身の回りの世話をするのが日課となっていました。兄夫婦はそんなに遠いところに住んでいるわけではないのですが、兄は仕事が忙しいことを理由にほとんど顔を出しません。

まして義姉はまったく協力するつもりもないようで、母親の介護はМさんとヘルパーさんが担当していたといいます。

日常的な年金の振込口座の通帳はМさんが管理し、母親の生活費のやりくりをしていましたが、年金が残らない状況でした。そうした生活は14年続きました。