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低迷するアップル株が示す米国経済の不安な行方

当然、世界経済にも悪影響

スマホ販売のピークアウトと貿易戦争

GAFAを中心に、米国のIT先端企業の株価が軟調だ。すでに、IT企業が多く組み入れられたナスダック総合指数は年初の水準に下落した。この動きは、やや急だ。一時、多くのファンドマネージャーらが「GAFAを保有すれば当面の利得は確保できる」と楽観していたが、今では、今後の値下がりを懸念して、売り時を模索するものが多い。

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大きな要因は、スマートフォンの売れ行きの鈍化だ。特に、アップルのiPhoneの販売不振懸念は強い。台湾のホンハイなどアップル関連銘柄も軒並み下落基調だ。加えて米中の貿易戦争への懸念が、大手半導体企業の株価を下落させている。市場参加者の中には米中貿易戦争の先行きを楽観するものもいるが、株価動向を見る限りそれは早計だろう。

 

成長のピークアウト懸念高まるアップル

アップルの株価が下落している。最大の要因は、同社の成長がピークを過ぎたとの見方が増えていることだろう。端的に言えば、iPhoneのヒットが冷め、売れづらくなっている。7~9月期決算において同社は増益を確保した。一方、前年同期比でみて同社の稼ぎ頭であるiPhoneの販売台数が伸びていない。販売単価引き上げによる成長は難しいだろう。

この問題は、アップルのビジネスモデルの行き詰まりが近づいている可能性を示唆する。アップルは自社のデバイスを売り、その上で、iTunes上でユーザーが音楽などをダウンロードしたり、データ・情報を管理することを想定してきた。それは、従来の音楽媒体であったCDを淘汰するほどの威力を持っていた。

このビジネスモデルがワークするためには、iPhoneの販売台数が伸びる必要がある。しかし、足許では販売台数が増えていない。同社が他の収益源からiPhoneの売り上げ台数の減少を補うことは難しいと考えられる。iPadやノートPCの販売台数を見てもiPhoneの不振をカバーすることは容易ではない。

この状況を打破するためには、イノベーションが必要だ。故スティーブ・ジョブズがシンプルさにこだわってiPhoneを生み出したように、従来にはないヒット商品が生み出されれば、成長は可能だ。ただ、現在の経営を見る限り、そうした取り組みは感じられない。同社の業績拡大ペースが鈍化する可能性は高まったと見る。