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検証・2つの技術がフェリーで3時間の離島「海士町」を蘇らせた

「CAS」と「遠隔授業」を現地ルポ

最先端科学技術を探せ!

離島を巡る旅人、日本科学未来館科学コミュニケーターの伊達です。

先日、休みをいただいて島根県の離島「海士町(あまちょう)」に行ってきました。場所は、ここ!

海士町の地図海士町の地図

島根県の交通の中心、松江駅からバスで1時間かけて七類港に行き。そこから午前中に4本あるフェリーで約3時間揺られた先にある島の町です。

決してアクセスが良いとは言えない島ですが、海士町は地域活性化に成功した島として全国から注目が集まっています。2014年9月の安倍晋三首相の所信表明演説では、そのロールモデルとして取り上げられました。

人口2300人ほどの島民のうち約1割が島外からの移住者で、海士町に魅入られた人たちが続々と集まってきています。

こんな記事をネットで目にした離島旅好き科学コミュニケーターの伊達は「こんなに人が集まるのには何か理由がある。それには科学技術、それも最先端のものが入っているに違いない!」と考え、実際に島を旅してどんな科学技術があるのかを見てきました。

船に揺られて島に到着! さっそく交通手段として、科学技術の恩恵を! とレンタルしたのがこちら!

伊達さんと自転車伊達さんと自転車

自転車。電動アシストなし。最先端の科学技術ではありませんが、先人たちの技術力の結晶です。

海士町にはレンタカー屋がないそうなので自転車を使い、自力で島内を移動することにしました。

島内の科学技術を探して回ること約3時間。見つかったのは、綺麗な海と昔ながらの街並み、そして放牧される牛。そして「ないものはない」という、ある種の覚悟を決めた前向き? なキャッチフレーズのポスターまで……。

海士町の風景や牛など、「ないものはない」ポスター海士町の風景や牛など、「ないものはない」ポスター

暗雲が立ち込めてきた中で、ふと目にしたPOPに気になる文字が!

CASCAS

「CAS(Cell Alive Systemの略)」。科学技術の匂いがする……。

聞くところによると、食材の鮮度を維持したまま冷凍する技術だそう。他にも島で何度か目にしたこの技術について調べてみました。

鮮度そのままに急速冷凍! CASとは?

この冷凍システムは、株式会社アビーが1998年に開発した急速冷凍技術です。海士町には2007年に導入されました。

海士町には、シロイカや岩ガキなど市場に出回れば高値で取引される漁業資源が豊富です。しかし、離島という地理的なハンディキャップがありました。海士町産の魚介類が市場に出回るころには鮮度が落ち、安く買われてしまっていたのです。

その状況を打開した科学技術が「CAS」です。