櫻田義孝五輪相の答弁が国会で厳しい追及を受けている。
事の発端は、11月5日の参院予算委員会での蓮舫議員の質問に対する答弁だ。大会予算や五輪のコンセプトなど基本的な質問に対し、櫻田氏はしどろもどろな発言を繰り返した。
この次の日、櫻田氏は「質問通告がなかった」と発言。蓮舫議員はこれに反論し、騒動は尾を引いた。
ここで改めて、国会審議における質問通告の仕組みと意義を考えてみよう。
現在、質問通告は与野党間ルールで2日前の昼に行われることになっている。そして前日夕方に国会議員会館で、議員と担当役所職員が対面にて質問通告内容を伝達する形態をとっている。
質問者によっては、質問の項目のみをファックスなどで連絡してくるだけの場合もある。
今回の場合、蓮舫氏は自身のツイッターで、5日の参院予算委員会で質問に立つことを前日に予告している。だが質問通告の内容は明らかにしていなかった。
実際にはツイッターに投稿した時点で通告は済んでいるはずだが、具体的な内容は明かさなかった。
元民主党参議院議員が明かすところによると、この質問通告には「東京オリンピック・パラリンピックについて(特に予算措置、新国立競技場(大会後の活用、収支見込等)、オリパラ関係府省庁会議、H27.11.27閣議決定等)」と、具体的な質問内容には触れられていなかったという。
おまけに「質問レクなし、問い合わせ不可」との注記もある。
答弁を作成する官僚からみると、どんな質問を受けるのかさっぱりわからず、膨大な量の想定問答を作成することになる。
そもそも、こうしたケースの国会質問は与党および政府の準備不足を洗い出したいだけなので、本質的な質問が飛ぶことはほとんどない。ますます準備に手間がかかるのだ。