# マネジメント

就職氷河期入社の社員がバブル期入社の管理職にしてほしいことは!?

北欧企業の組織マネジメントに学ぶ
可兒鈴一郎 オッレ・ヘドクヴィスト

相手との違いがわかる「文化的気づき度」

自分たちが育った土地や環境から生まれた文化を「自文化」と呼び、日ごろ当然のこととしているものの考え方や行動パターンは、この自文化の影響を強く受けて形成されています。

たとえば、企業文化。その企業で働く人たちにとっては常識とされていることでも、ほかの企業の人にとっては、非常識になってしまうことも多々あるものです。

 

その場合、自文化だけを優れたもの、正しいものと考えないで、自他の文化差、すなわち「違い」を率直に認識できることが重要で、その度合いを「文化的気づき度(カルチュラル・アウェアネス)」と呼びます。

海外に出掛けると、距離や時間に対する考え方は国や地域によって、まったく異なってきます。文化は、その国や地域の自然条件、民族性、歴史、宗教などさまざまな要素が長い年月をかけて培ってきたものなのです。

日本人は、ともすると「効率が悪いものはすべて悪い」という短絡的な思考をしがちですが、産業社会の価値観を優先しないナチュラルな文化を持つ人たちからすれば、それは無粋なものと映るかもしれません。

はてしない悠久の大地に暮らす人たちは5分、10分という細かい時間の単位を全然気にしないかもしれないのです。もともと生き方や人生の目的も違うのですから。

日本人同士においても、景気のよかった時代に入社した管理職と、就職氷河期に入社した社員とでは、異文化と言ってもいいほどの価値観の相違が生まれています。

複数の視点が持てる「異文化許容度」

長年、同じ環境で同じ仕事を続けていると、過去の経験や既成概念にとらわれたワンパターンな発想や行動に陥ってしまう傾向があります。

これまでは、こうしたらうまくいったから、今度も同じ方法を貫いて解決するべきだ、となるわけです。

同じ価値観の人が集まった同質性の高い環境であれば、そんなワンパターンの発想でも、問題なくものごとを進めていけるかもしれません。しかし、自分とは価値観が大きく異なる人ともコミュニケーションしないといけないような同質性の低い環境では、考え方や行動をそのつど柔軟に変えていかなければ、うまくものごとを進めていけません。

そこで重要になるのが、ひとつの問題を複数の視点からとらえ、なおかつ解決策をいくつも用意して、状況に応じて柔軟に対応していく能力

この度合いが「異文化許容度(インターカルチュラル・トレランス)」です。

自分のやり方だけにこだわることなく、いいものであれば、状況に合わせてほかの人のやり方も柔軟に取り入れていける能力と言ってもいいでしょう。

たとえば、ビジネスにおいて、自分がA案を主張し、相手がそれと真っ向から対立するB案を主張したとき、異文化許容度が高い人は、A案だけにこだわらず、おたがいに妥協できる道筋がつくれるC案、D案、E案と、次々と対案を提案できるような柔軟性を持っているわけです。

リーダーとしての資質を伸ばしたいならば、こうした能力を強く意識していきたいものです。

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