# マネジメント

就職氷河期入社の社員がバブル期入社の管理職にしてほしいことは!?

北欧企業の組織マネジメントに学ぶ
可兒鈴一郎 オッレ・ヘドクヴィスト

異文化適応能力とは何か

では、「異文化適応能力」というのは、どのようなものなのでしょうか。

これは、私、可兒鈴一郎が社長を務めていた株式会社インテック・ジャパン(2012年に株式会社リンクアンドモチベーションに事業譲渡)が専門家チーム(大学教授など)に委嘱して開発した「異文化対処力開発テスト(CAT)」の理論が背景になっています。

 

基本的には、ビジネスで海外へ出掛けていったとき、まったく文化的背景の異なる人とうまくつきあって、円滑に業務を遂行していくために必要な能力を判定するためのものです。

ただし、異文化適応能力は、海外に出掛けていったときだけに発揮するものではありません。実は、企業における組織のマネジメント能力にも大きく関係しているのです。

今、たとえば、日本企業でもダイバーシティを推し進めようとしていますが、よほどのリーダーシップがないとなかなかその実現は難しいのが実情です。

この異文化適応能力への理解が深まれば、自ずとダイバーシティの実践にもつながるのです。限られた人材に自ら活躍してもらうことがどれだけできるかの鍵がみつかるでしょう。

「柔軟度」が高いマネージャーとはどんな人物か

たとえば、柔軟度が高いマネージャーは「自分の意見に固執せず、相手を尊重して、相手に合わせられる」のに対し、柔軟度が低いマネージャーは「権威主義的で、いつも自分が正しいと考え、相手を否定してかかる」と言えます。

後者をわかりやすく表現するとすれば、相手の文化的背景をまったく考慮することなく、無理矢理、自分のやり方を押しつけようとする人。

その行動の背景になっているのが「自分たちのほうが優れていて、相手は著しく劣っている」という「自文化優越意識」です。

具体的には「規律を忠実に守る日本人は優秀」とか「日本の生産技術は、世界一」という強い自負心でしょう。

自文化優越意識を持つ人は、「自分たちの考えが絶対的に正しくて、相手のほうが間違っている」と主張しがちで、相手を尊重する謙虚な姿勢に欠ける傾向があります。

そうした硬直した態度では、文化的背景が異なる相手とうまく人間関係を構築していくことは、非常に困難になってきます。

異文化コミュニケーションにおいては、自文化の尺度だけでものごとをとらえないフレキシビリティが必要だからです。

その能力の度合いを「柔軟度」と呼びます。そして「柔軟度」は、具体的に以下で解説するふたつの能力によって構成されています。

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