12月 2日 人類初の核分裂連鎖反応実験(1942年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1942年のこの日、物理学者エンリコ・フェルミ(Enrico Fermi、1901–1954年)は、シカゴ大学の実験原子炉「CP-1」において、人類で初めて、ひとつの核分裂反応が別の核分裂反応を引き起こして連鎖的に反応が続く臨界状態を作り出すことに成功しました。

この原子炉の建設は、フットボール競技場の観客席下で極秘裏に進められており、合計40トンのウランと385トンの炭素からなるブロックを人力で1つずつ積み重ねて作られました。

核分裂によって発生する中性子線を計測しながら、建設は慎重に進められ、すべてのブロックが積み上げられた翌日、12月2日の午前10時から、制御棒を少しずつ引き抜くことで実験が開始されました。

午後3時25分、制御棒があるところまで引き抜かれると、中性子線の強度は計数管が振り切れるほどとなり、出力が急速に増大していく様子が確認されました。人類が初めて臨界状態を作り出した瞬間でした。

この実験で到達した最大出力はわずか0.5ワットという小さなものでしたが、そこに集まった40名ほどの科学者は、この実験の重要さを認識しており、人類にとって革命的なことが成し遂げられたことを静かに祝ったそうです。

フェルミとCP-1のあった実験場の模型
  1942年ころのフェルミ(左)とCP-1のあったシカゴ大学の実験場の模型 photo by gettyimages