政府は今後、2%のインフレを進めるという方針を明確に打ち出しています。
計算すると、年2%でインフレが進むと、35年間でお金の価値は半分になってしまいます。
子どものためにと、銀行に1000万円貯めていても、子どもに引き継ぐころには500万円の価値になってしまうということです。
そのことを、もう、政府は何も隠していません。
むしろ、政府は国民に「だから、お金を使ってください」と呼びかけています。
お金を使うというのは、お金を抱え込まないで投資に回してくださいということ。
民間企業にも設備投資をするように促していますし、個人にも投資するように促し続けています。しかし、投資する方法までは教えてくれません。投資するマインドセットも、その仕組みも、学校の義務教育どころか社会人になっても教えてくれません。
「投資をしなさい」とは言うが、その術(すべ)を教えようとしない。
なぜだと思いますか? 答えは簡単です。
その術を持っている人がほとんどいないからです。
学校の先生も公務員、官僚も公務員、読者のみなさんの親もたいていはサラリーマン、もちろん、サラリーマンの上司もサラリーマンです。
教える立場の人自身が自分の人生を紙切れと交換しているのです。実のところ、お金の本当の仕組みを知っていて実践している人は、世界中でごく一部の人たちでしかありません。
だから、投資をする術を知っている人がなかなか増えないのが現状なのです。
一方で、政府が国民に投資を促している例が、たとえば、「NISA(少額投資非課税制度)」の整備です。投資金額の年間の上限はあるものの、本来なら20%強の税率で課税される分配金や配当金を非課税にするという制度。
乗らない手はないですよね。
さらに「確定拠出年金」や、「小規模企業共済」もある。
少し調べればいろいろな投資への呼び水が用意されています。
政府は、「いろいろ用意するから、こっちに乗ってね」って、2013年ごろから言っている。
「インフレにしますよ! お金を持っていても価値は下がるだけですよ! お金使って(投資して)くださいね! 現金を持っている人からは税金取りますよ!」
と言っているんですね。
自分の人生の時間を紙幣と交換してから、確実に価値が減少していく紙幣のまま貯め込むか? それとも紙幣を動かして、政府が用意している波に乗って資産を作っていくか。
どっちが得かは目に見えています。