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あざといステマは見破られる

一方で、気をつけなければいけないのは、ステルス・マーケティング(通称ステマ)にしないことです。ステマとは、利害関係がないように装った関係者が、商品・サービスのよい評価を発信したり、発信させたりすること。いわゆる「やらせ」です。

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ステマのような本質から外れた手法は論外であることは言うまでもありません。最近はSNSの普及ですぐに見破られてしまいます。特にお金が介在する場合は、ステマとして糾弾されますので注意しましょう。

実際、レストランの口コミサイトなどでは、広告であることを隠して好意的な記事を書かせていたことが問題になったことがありました。このネット全盛の時代に、あざとさはすぐにバレると考えたほうがよいでしょう。

広告とPRの違いは、大まかに言うとお金が介在するかどうかです。雑誌の場合はスペースを買い取り、テレビの場合は放映時間を買い取り、こちらのメッセージを伝えるのが広告です。

ただし、広告は記事や番組より見る側の注目度が相対的に低くなります。一方で、PRは媒体料金が介在せず、その商品・サービスを紹介するテレビ、雑誌、ブログなどのメディア側が「この商品はよい」「ぜひすすめたい」といった気持ちで取り上げるものです。そのため一般的にはPRのほうが注意深く見てもらえると言えます。

 

ステルス・マーケティングの問題は、広告をPRのように装う点にあります。

先の私の書籍の例でも、たとえば「3000円あげるからいい書評を書いてよ」とお願いしてしまうと、PRと装ったステマに該当してしまいます。

しかし、「感想を書いてください」と促すことは基本的にステルス・マーケティングとはなりません。

最近では「商品をプレゼントするからSNSに感想を」といったプロモーションを行う企業も増えています。ネット上のインフルエンサーにモニターになってもらったり、ユーチューバーに取り上げてもらったりするケースもあります。

この場合もステルス・マーケティングには当てはまりませんが、一方で「こちら側の意図がしっかり反映されるかどうかはわからない」というリスクがあります。好意的な感想を書くか、批判的な感想を書くかは相手の自由であることをしっかり理解したうえで行う必要があります。