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シン・ゴジラからiPhoneまで大ヒットさせた「魔法の手法」

想像力に訴える「じらし戦法」
理央 周 プロフィール

iPhone発表時にも使われた

ティザー・プロモーションは案外古くからの手法です。有名なのは1978年の映画「スーパーマン」。制作が遅れているために予告編が間に合わないという実務上の理由から、少しずつ情報を出したことが功を奏したと言われています。

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アップルもティザー・プロモーションで有名です。「Mac 1984」では、作家ジョージ・オーウェルの小説『1984』がモチーフになったと言われています。

小説は独裁者による管理社会による恐怖を描いたものでしたが、CMでは当時、パーソナルコンピューター界に進出した大企業IBMを独裁者に、槍を持った若い女性を自分たちに想起させるように作られています。

スクリーンに映る独裁者を女性が槍でぶちのめし、「アップルコンピューターはマッキントッシュを販売します」で終了。主役であるはずの製品としてのマッキントッシュの映像はまったく出てきません。「乞うご期待」といった体裁だけです。

アップルは現在でもティザー・プロモーションを多用しています。

iPhoneの発表の際も、「電話を作るらしい」という噂が流れるよう仕向け、「ただの電話ではないらしい」「インターネットができるらしい」と小出しにし、最後にスティーブ・ジョブズがイベントで全貌を発表するといった流れでした。

 

ティザー・プロモーションを行う際のコツは、新商品・新サービスを開発する段階ごとに情報を出していくことです。

たとえば私が書籍を出版する際に取る手法は、本が世に出るという情報をリリースするだけではありません。

「○冊目の出版が決まりました→いま打合せ中です→原稿を書き始めました→原稿はいま○%くらいできました→原稿を書き上げました→校正ゲラをチェック中です→タイトルが決まりました→表紙のデザインが決まりました→発売日は○月○日です」などとフェーズごとにSNSなどでフォロワーやフレンドを中心に報告していきます。

最後に、「明後日には店頭に並ぶので、見かけたらハッシュタグをつけてSNSにアップしてね」とお願いすると、共感したフォロワーが情報を拡散してくれます。読むまでに至らず見かけただけでもいいと条件をゆるめると、アップしてくれる人が増えてプロモーション効果が上がります。

大切なのは、ちゃんとタイミングを計ること。見ている人たちにとって興味をそそる情報を、タイミングよくリリースすることで、ティザー効果をさらに大きくすることができます。