Jリーグ外国人助っ人「登録無制限化」に込められた意図

全ては日本サッカー強化のために
二宮 寿朗 プロフィール

日本が強くなるために

海外のトップ選手から学ぶ。Jリーグの創成期がまさにそうだった。日本人のビッグネームがいなかった鹿島アントラーズはジーコを筆頭に、レオナルド、ジョルジーニョらブラジルの大物から選手たちが学び、彼らは常勝軍団になっていった。

鹿島は伝統的に「4-4-2」システムを踏襲しているが、フォワードを2枚とも外国籍選手で並べることはまずない。外国籍選手と日本人選手でペアを組ませることで、モチベーションと成長を促してきた。柳沢敦、鈴木隆行、興梠慎三、大迫勇也……彼らが日本を代表するフォワードになったのも、この方針を崩さなかったから。

90年代後半から鹿島とともに2強時代を築いたジュビロ磐田にも、闘将ドゥンガの存在があった。ドゥンガに影響を受けた福西崇史をはじめ、磐田から多くの日本代表選手が誕生した。

話を今の神戸に戻すと、三浦淳寛スポーツディレクターは「神戸から日本代表に選手を送りたい」と意気込んでいた。

イニエスタやポドルスキに影響され、飛躍的な成長を見せている19歳の郷家友太や23歳の古橋亨梧ら若手アタッカーがいる。イニエスタの相棒となる三田啓貴も、レベルが一段階引き上げられたようにも思う。チームを強くし、日本人選手を伸ばすという理念のもとで「枠」を有効活用してほしい。

〔PHOTO〕gettyimages

ただ一つ残念だったのは、アジア枠の撤廃である。個人的には「5」よりも「4+1」で良かったのではないか、と思っている。Jリーグとしてはアジア枠を撤廃しても韓国やオーストラリアなどから選手を呼ぶ流れは変わらないと判断したのかもしれないが、1枠あるかないかでは大違いだ。

 

日本が強くなるためには、アジア全体が強くならなければならない。欧州はネーションズリーグがスタートし、内向化が進んでいる。その中で強化を図るにはアジアのレベルを上げていく必要があり、Jリーグがそのリーダーシップを執っていく意味でもアジア枠は堅持してほしかった。アジアのトップ選手が集う場になれば、アジアのサッカー市場におけるJリーグの価値も今以上に高まると思うからだ。

いずれにせよ、助っ人から学んでどのようにチーム強化に落とし込めるかどうか、日本サッカーの強化に結びつけていけるかどうか。そのための「枠」拡大にしなければ、改正する意味がない

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