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白内障の手術を受ける前に、あなたが考えておくべきこと

手軽に安全…がすべてではない

ゴルフと白内障の関係

「よく見えるようになった。こんなに簡単で良い手術はないよ。君も手術を受けるべきだ」

白内障の手術を受けた同年代の友人に、こう勧められたことがある人も多いはずだ。といっても、目にメスを入れる手術はやはり怖い。どう考えればいいか。

道玄坂加藤眼科院長の加藤卓次氏はこう話す。

「白内障の手術に満足している人は、手術前の視力が極端に悪かったためによく見えるようになっただけ、というケースもあります。

矯正視力で1.0程度見えている場合は、手術をしてもほとんど見え方に変化がないことも珍しくありません。目安としては、自動車免許の更新時には矯正視力0.7が必要ですが、これをパスできなくなった段階で手術を検討すればいいでしょう」

 

たしかに白内障手術の安全性は年々向上している。日帰り手術も一般的になってきた。

「とはいえ、傷口から雑菌が侵入して、術後に感染症になるケースも2000件に1件程度、発生しているのは事実です。確率はもっと下がりますが、失明に至る例がないわけでもありません。

中には手術が必要ではない初期段階で手術を勧める医師もいる。新規にクリニックを開業した場合など、投資を早く回収したいという気持ちから、こうした行動に出ることもあると聞きます。

少なくとも白内障の手術は手軽で安全だからと、安易に考えるべきではありません」(加藤氏)

白内障と診断された場合、点眼薬が処方されているが、著しい効果があるとは認められていないと、福与眼科医院院長の福与貴秀氏は指摘する。

「むしろ日常的に紫外線を避けることが、進行を遅らせるためには何よりも効果的と思われます。

紫外線が白内障を進行させることは、眼科の教科書にも書かれていることです。ゴルフが趣味の人は多いと思いますが、紫外線対策なしのゴルフは確実に白内障を進行させます。

日常の対策としては、外出時は紫外線カットのサングラスや、つば付きの帽子を着用するといいでしょう」

白内障と並んで、多くの人が罹患する緑内障は眼球内の眼圧が高まり、視神経を圧迫することで視野障害が発生する。手術も選択肢として挙げられるが、欠けた視野が回復するわけではない。

「今では薬で治療するのが基本で、ほとんどの症状に対応できます。手術は薬で眼圧が下がらなかった時の最後の手段と考えるべきです。

正常な眼圧でも、緑内障になる人はいます。したがって、なにより大切なのは、早期発見です。

視野が欠けたら自覚症状が出て気づきそうなものですが、人間の脳は優秀で欠けた視野を補正してしまう。そのため、なかなか気づかないのです。定期的な健康診断が重要となります」(加藤氏)

前出の福与氏は、老眼の進行予防のために「老眼予防トレーニング」を開発した。これは緑内障にも効果があるという。

「私の診ている患者さんで、20年以上このトレーニングを続け、緑内障による視野の狭まりが当初の予想よりはるかに良好に保たれている例もあります。

点眼薬による治療も並行していますが、トレーニングをしていない人で、これほど進行が遅いケースはあまり見当たりません」

具体的にはこうだ。

①眼の前15cmに人差し指かボールペンを立て、その先端を見る。この時、ピントがボケても構わない。

②次にできるだけ遠く、できれば5m以上先を見る。目と目の間と、ペン先と遠くのものが一直線に並ぶように気をつける。

③①と②を約1秒間隔で10回くり返す。

④これを1日に3セット行う。