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「最先端治療」が受けられる病院の、意外なリスクをご存じですか

ダ・ヴィンチ、免疫療法、遺伝子治療…

慣れた医師が少ない

「万能の天才」――。

「モナリザ」や「最後の晩餐」の美術だけでなく、工学や音楽など多岐にわたって活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチ。そこから名を拝借したのが、最新鋭の手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」だ。

日本でもすでに200台以上が導入されており、全世界では3000台を超えている。医師は3D画像を見て、ダ・ヴィンチのアームを操作しながら、患者に直接触れることなく、手術を行うことができる。

 

東京医科歯科大学大学院消化管外科学分野教授の絹笠祐介氏が語る。

「人間の場合、細かな手術をしようとすると手が震えたりするものですが、ダ・ヴィンチは機械を通して行うのでその心配はありません。

ダ・ヴィンチはお腹の中の深い場所でも、人間の手のように動き、より正確な手術を可能にしてくれる。お腹の中に自分の小さな手が入って手術するような感覚です」

ロボット手術は、従来の腹腔鏡手術では不可能だった回転、上下左右運動ができ、より正確に病巣を切除できる。

まさに最新の手術方法だ。今春からは保険適用の範囲も広がり、元々の前立腺がんと腎がんに加え、胃がんや食道がんなどにも適用できるようになった。

そのため、ダ・ヴィンチを導入している大病院では、患者にも積極的に使用が勧められている。

その一方で欠点もある。ときわ会常磐病院院長の新村浩明氏が言う。

「ロボット手術の場合、『触感』が欠如しているんです。硬いとか、柔らかいとか弾力があるとかですね。

開腹手術なら、直接手で触ってわかるし、腹腔鏡でも鉗子で押せば、触感が伝わるものですが、ロボットはまったくわからない。臓器の感触は外科医にとって重要な情報なのですが、ロボット手術にはその部分が欠けています」

さらにロボット手術は、コスト面でも非常に高額なため、ますます国内全体の医療費を圧迫しかねない問題も孕んでいる。