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ケンタッキー・フライド・チキン社長が考える「褒める」経営哲学

大塚英樹の「成功するトップの覚悟」⑦
ジャーナリスト・大塚英樹氏は、長年にわたり企業経営の最前線で「社長」という存在をウォッチしてきた。その中でいま、大きな変化が起きていることを感じている。世上よくいわれるビジネスモデルや経営上の話ではなく、もっと根本的に、社長つまりリーダーの「確信」と「覚悟」というものが問われる場面が増えてきた、と痛感している。企業リーダーの「覚悟」は「確信」が前提となり、「確信」があるから「覚悟」することができる。大塚氏は近著『確信と覚悟の経営 ーー社長の成功戦略を解明する』で、16人の日本を代表する企業トップにその「確信」と「覚悟」を聞いた。短期連載でお送りする。第7回は、日本KFCホールディングス近藤正樹社長に迫る。

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成長する企業の経営者に共通するのは、常に危機感を持っていることだ。

そして、社内にどう危機感を植え付けていくのか、そのメカニズムを考えている。何よりも、会社の有する問題を共有し、存続の危機にあることを社内で顕在化させる文化を醸成している。  

近藤正樹社長  写真提供=KFC

近藤正樹も同様、社内に危機感を持たせることに心を砕いている。  

近藤が社長に就任するまでの4年間、日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の業績は低下の一途をたどっていた。

そこで近藤は、「100日プラン」として100日間で達成すべき自社の課題を明確化し、その後、克服すべき方策を講じていった。

近藤がとりわけ危惧したのは、「現場と本部の距離感」であり、当事者意識の欠如からくる「待ち」の姿勢だった。

そのため、①現場と本部の一体感を醸成し、現場力を強化すること、②挑戦することを評価し、「攻め」の姿勢へ転じること──を競争力強化のための不可欠条件とした。  

 

近藤はこうした方策を全社で共有することに心を砕く。

毎年、全国各地で店長・店幹部との対話会「社員懇談会」を二十数回、開催するのはその証左だ。

近藤は常々、全国1150店を顧客が満足し、喜ぶ店にするためには、3万人の全従業員がいかに生き生きとして働くかがキーポイントだと考える。

そのため、社員のモチベーションの向上に腐心する。モチベーションが高まれば自ら感じ、気づき、動く。では、どうすればよいか。