南海トラフ巨大地震「その瞬間」の行動が生死を分ける

状況別の最善策はこれだ
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《東京スカイツリー、タワマン》歩いて降りられるのか

東京をはじめ、首都圏に数多く立つ高層ビルの中には3.11の際、振幅3~4mの揺れが5分以上続いたものもあったという。とくに、レストランや展望台などが備えられている最上階付近は大きく揺れた。

当時、東京の震度は5弱程度だったというのに、東京都庁の高層部では、什器が大きく動き、天井の一部が落下している。

墨田区にそびえる東京スカイツリーは、高さ634mを誇る。'12年に竣工したばかりのこの建物ではあるが、震度6弱以上を見込む南海トラフ地震で、最上部の展望台は安全なのか。

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スカイツリーを管理する、東武タワースカイツリーの担当者は「一般的な高層ビルよりも、50%も揺れを軽減することができる」と胸を張る。

「スカイツリーの鉄骨は一般の鋼材よりも2倍近い強度があります。また、地上125mまでとそれ以上の部分では構造が異なっており、これらは異なる揺れ方をします。揺れが相殺しあうことで、揺れを軽減するのです」

立っていられないほどの揺れが襲う心配はないというが、電気系統が故障すれば、エレベーターが使用できなくなってしまう可能性もある。そうなれば、展望台内にいる2000人もの人々が、地上350mの展望台に取り残されてしまう。

「エレベーターの復旧に時間がかかる場合、スタッフがお客様を地上まで徒歩で誘導することになっております。

地上への避難に時間を要する場合、エレベーターが復旧するまで、展望台内のショップやレストラン、スタッフ用の備蓄品などをお客様に提供することも想定しております」(同前)

 

歩いて降りることが困難な場合は、スタッフに相談のうえ、エレベーターの復旧を待つのがよいだろう。レストランの食事にありつくこともできるかもしれない。無理して降りれば、余震で階段から転げ落ち、怪我を負う恐れもある。

タワーマンションに住んでいて、エレベーターが止まったらどうするか。電気で汲み上げる上下水道が、1ヵ月以上使用できない可能性がある。

家に備蓄がなければ、一度は階段で降りるしかないだろう。その後、高齢者など体力に自信がない人は自宅まで戻ろうとせずに、付近の避難所を利用したほうがいい。備蓄の配給も得られるうえ、簡易トイレで排泄の問題も解決することができる。