夜空に浮かぶ月の大きさを「5円玉で簡単に測定」できる方法があった

新連載「覚えて帰ろう〈雑学数学〉」
横山 明日希 プロフィール

腕から目までの距離は約55cm、月までの距離は約38万5000km、5円玉の穴は約5mmとなりますが、これらの情報を図に入れると、相似な三角形を作ることができます。

5円玉の穴の直径を底辺とし、直径上にある2点から目までを結ぶ二等辺三角形と、月の直径を底辺とした、直径上にある2点から目までを結ぶ二等辺三角形同士が、相似の関係となっています。

〈月-腕の先の5円玉の穴-目〉もちろん比率は正確ではありませんが、〈月-腕の先の5円玉の穴-目〉の間の相似形が描けます

ここから、相似比を使って月の直径を求めることができます。

38万5000kmは、55cmのおよそ7億倍。つまり「腕から目までの距離」と「目から月までの距離」は7億倍違うことになります。ここから、5円玉の穴の大きさの7億倍の大きさが月の大きさとなり、およそ3500kmであることがいえます。

実際のところ、月の直径は3474kmとされており、ほぼ正確な数字を求めることができました。

この「5円玉の穴の大きさを使って巨大なものの大きさを測る」という技術、ちょっと工夫をすると、ほかのことにも応用を効かせることが可能です。

腕から目までの距離は約55cm、5円玉の穴は約5mmということに注目し、二等辺三角形の底辺と高さの比を55:0.5=110:1と捉えて、これを利用してみましょう。

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たとえば、信号機の赤色、黄色、青色の電球の部分の大きさは直径30cmです。この事実と、先ほどの底辺と高さの比「110:1」の比を使うことで、次のことを求めることができます。

「5円玉を持って腕を伸ばし穴から覗いた状態で信号を見たときに、すっぽりと信号の電球が収まるのならば、自分がいる地点から信号からの距離は約330m」

果たしてこの知識が役に立つのかどうか難しいところですが、5円玉が距離を測る道具になりました。

非常に原始的な測り方かもしれませんが、昔の人はこのような相似の原理を使って距離や高さを測っていました。ぜひ、今度外を歩く際にはお試しくださいませ。