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# アート

日本人は知らない、世界中の金持ちが「アート」を買う本当の理由

政府に知られることもなく売買している

ZOZO前澤も! 世界の富豪とアートの「奥深き世界」

ZOZOの前澤友作社長が1.1億ドル(約124億円)で現代アートのバスキアの絵画を購入したり、レオナルド・ダ・ヴィンチの男性版モナ・リザともいわれる絵画「サルバトール・ムンディ」を、アブダビの王族が約4.5億ドル(約507億円)で購入したりと、日本でも大富豪によるアートの購入がニュースとなっています。

そうしたニュースが出るたびに、日本のメディアでは「絵一枚にこんな高額を支払うなんて、カネが使いきれないほどあるのか」、「お金持ちの節税対策ではないのか」といった意見が飛び交います。しかし、富裕層たちがアートを購入する動機はそんな単純なものではなく、そこには一般人にはうかがい知れないとても複雑な事情が絡み合っています。

今回はそんなグローバルな超富裕層たちとアートの奥深い世界について紹介します。

オークションに出された絵画「サルバトール・ムンディ」〔photo〕gettyimages

値段はどれくらい上がる? 答えは年率平均「約9%」

世界中の主要なオークションでのアートの売買動向を集計しているアートプライス・ドット・コムの価格指数によると、2000年以降にいわゆるファインアートの価格は年率平均8.9%のペースで上昇してきています。この上がり幅は、リーマンショックを経験した株式・不動産といったリスク資産や債券などと比較しても優秀な成績です。

もちろん、個別の作品により大きく価格動向は異なりますし、アートの売買にはほかの金融商品をはるかに上回る手数料がかかることが一般的なので注意しなければなりませんが、上記のように特に最近アート価格の高騰が目立つ背景には、リーマンショック後の経済低迷から脱するために米国や欧州、日本など主要先進国で軒並み前例のない規模の金融緩和が行われたことがあります。

世の中に出回るお金の量が増える一方、投資対象となるファインアートの数には限りがありますから、価格は上昇トレンドとなることが自然ということです。

 

知り合いのアートギャラリーの方に話を聞くと、バブル期に投機の象徴のように言われた日本の大富豪や企業のゴッホやルノワールといった印象派への数十億円~100億円以上の投資も、いまではどの作品も200億円以上出しても購入したいという希望者が何人もいる状態のようです。バブルの象徴である高値掴みと見なされた名画への投資でも30年の時を経て数倍に価格が上昇しているほど、世界中で高い人気を誇る印象派の巨匠たちの作品たちの価格は長い期間で堅調に上昇してきています。

印象派の代表であるルノアールの作品〔photo〕gettyimages