男女みたいに、普通に恋愛できたらいいのに

好きな人に想いを伝え、お付き合いできるのって、当たり前なようでいて、なんて素敵なことなんだろう、と思う。

僕の父と母は、中学生の頃に初めて付き合った同士で結婚しています。還暦を過ぎた今でも仲良しで、夫婦喧嘩は一度も見たことがありません。

そんな両親に育てられたものだから、我が家はとても朗らかでオープンな家庭でした。兄も姉も、付き合った相手を家に連れて来るのは当たり前で、よく兄の彼女や姉の彼氏を交えてみんなで食卓を囲みました。

だからこそ、自分にはそれができないんだと悟って、中学校での初恋を経験して以来、僕は家庭内で恋愛について一切くちにしませんでした。

兄ちゃんや姉ちゃんと同じように、異性を好きになって、付き合って、家族に紹介して、いっしょに食卓を囲むことが、僕にはできないんだな、って。
今ではオープンリー・ゲイとなって、家族も作家活動を応援してくれているから、あの時できなかったことをいつかはしてみたい、と思うのだけど。

好きになった人に告白して、付き合って、恋人になる。手をつないだり、キスしたり、セックスしたりする。

心身が成熟するにつれて、同世代が当たり前のように経験していく恋愛のプロセスなのに、同性愛者はそのスタートラインに立つこともできない。
異性に対しても、同性に対しても、誰かのことを好きだと思う感情は、同じなはずなのにね。

好きな子と、仲良くなろう

元々は、渡り廊下ですれ違っただけの、名前も知らなかった初恋の相手。
話しかけることすらままならず、片想いを伝えることなんて、とてもできない。
けれど、中学1年の僕は、ある目標を立てました。

『あの子から、一番の親友と思ってもらえるような仲になろう』

共通の友達を介して話してみたり、休み時間に彼のいるクラスへ遊びに行ったりして、僕は中学校の3年間、とにかく彼との距離を縮めることに努めました。もちろん、勉強もがんばったけどね。

そして3年生のとき、その目標どおり、彼から「いっしょの高校行こうよ」と誘ってもらえるほど、僕らは本当の親友になっていました。何事も、やればできるもんだ。
そしてその約束どおり、僕らは同じ高校に進学し、しかも1年生で同じクラスになったのです。