これらのいくつもの流れを見ていると、巨大IT企業の利益率が今より低下する傾向はもはや止めることができないでしょう。
いよいよアメリカ株の上昇基調を支えてきた成長株としてのIT株への資金集中は、大きな転換点を迎えたといっても過言ではないのかもしれません。過去数年で強気を貫いてきたウォール街でも、GAFMAや FANGと呼ばれるIT株が最高値を更新し続けるような相場に戻るのは困難だろうという見解が増えてきているようです。
成長期待から上昇トレンドを保ってきたアメリカ株は、2019年には本格的な調整の期間に入る可能性が高いと見ております。NYダウとS&P500の双方のチャートがダブルトップの形になり、今年の2月の調整時よりも先行きが不透明になっていることを知らせてくれています。
IT株の成長期待の剥落→アメリカ経済の大減速という経路を辿って、2019年のNYダウとS&P500が2018年の高値から2割~3割下がることは十分にありえると覚悟しておいたほうが無難でしょう。
最後に、新刊『AI×人口減少 ~これから日本で何が起こるのか』においては、
・ 日本の人手不足が5年以内に解消する理由とは
・ 高学歴の人々こそ失業の危機にある理由とは
・ 定年消滅後の働き方や生き方とは
・ 年金はどのくらい減るのか
・ 政府が考える増税・社会保障改革のシナリオとは
・ シェア経済とギグ経済が起こす地殻変動とは
・ 銀行、自動車、流通など、業界再編が進む理由とは
・ AI社会で求められるスキルや心構えとは
といった疑問にお答えしています。これからの10年~20年を見据えて、私たちの仕事、収入、社会がどのように変化していくか、実証的なデータをもとに解説しています。ご覧いただければ幸いです。