# 中国経済

上海総合株価指数をみていると高まる中国経済「悪化への懸念」

先行きが不透明すぎて

中国の上海総合株価指数の動向を見ていると、中国経済の先行きを懸念する市場参加者は増えていることが分る。特に、米中貿易戦争への懸念はかなり強いようだ。株式市場では、中国政府が“国家隊”と呼ばれる政府系の機関投資家(ファンド)に株式を購入させている(株式市場への介入を実施している)と言われているものの、株価は不安定な展開になっている。

中国政府は、売買の停止など強権的な市場介入が投資家を混乱させたという苦い経験を持っているのだろう。そのため、足許では“口先介入”によるセンチメントの好転が目指されている。

加えて、中国政府は減税を軸に景気刺激策を強化する方針を示している。ただ、株価動向を見る限り、その取り組みは経済環境の悪化懸念を食い止めるには至っていない。その背景には、中国経済の先行きに対する不透明感がある。

 

重要性高まる中国政府の口先介入

中国政府は国家隊による株式の購入などを通して、景気減速への懸念を食い止めようとしている。その取り組み姿勢を見ていると、かなりの“必死さ”が感じられる。何に必死になっているかといえば、市場参加者の心理状態の好転だ。現状、国家隊による株式購入は先行き懸念を払しょくするほどの効果を発揮できていない。

その中で、中国政府は“口先介入”による市場環境の好転を重視し始めた。要は、市場参加者のリスクテイク余力を高めたい。すでに、銀行業界等の監督を行う“銀行保険監督管理委員会(銀保監会)”は、大手銀行に民間向けの貸し出しを積み増すよう求めた。中央銀行である中国人民銀行や証券業界を監督する証監会も同様の考えを示している。

この背景には、金融政策の変更が容易ではないことがある。10月、中国の主要70都市の新築住宅価格は前月から1.0%上昇した。特に、中小規模の都市で住宅価格の上昇が顕著だ。不動産市場が上昇基調で推移すると、市場参加者の先行き懸念は後退する可能性がある。それを狙って、中国政府が不動産バブルの温存を重視しているともいえる。

中国政府が株式市場への介入を行っていることと併せて考えると、当局は資産価格の安定を重視している。それが実現すれば、市場参加者や企業経営者などの先行きに関する見通しも改善するだろう。それは民間企業の資金繰りを改善させる重要な要素だ。金融引き締めも金融緩和も難しいなか、今後も中国政府の口先介入は強化されるだろう。