誰でも必ずモノにできる「理系の英語」学習のために絶対必要なこと

物理学者が「英語」の本を書く理由
志村 史夫 プロフィール

英文法の知識が役に立つ、英文法の知識を役立てる!

特に“理系英語”において、「英文を正確に読む」、そして「英文を正確に書く」ために決定的に重要なのが「文法力」である。したがって、本書では、「実戦的英文法」を中心に話を進める。ここで重要なのは、あくまでも「実戦的」な英文法であることである。

“英文法”と聞いて誰の頭にも浮かぶのは、分厚い「英文法書」であり、あの「学校英語」で理屈抜きに丸暗記させられた無味乾燥な“受験用英文法”だろう。そのような文
法に対する強烈な「アレルギー」のためか、「文法など不要である」「文法などにこだわっているから英語が上達しないのだ」「ブロークン・イングリッシュでいいじゃないか」というような論調、声をしばしば耳にする。

その「声」の主が、英語の「専門家」あるいは「教育者」だったりすれば、「ああ、よかった」と胸をなでおろす「英語学習者」も少なくないだろう。

しかし、たとえば

Company make computer.
  
という英文(じつは“英文”になっていない)からは、どのような「会社」が、どのような「コンピューター」を「作る」のか、あるいは「作った」のか、はたまた「作ろ
うとしている」のか、「作りたい」のかなど、本質的な内容がさっぱりわからない。また、その「コンピューター」が1台なのか2台なのか、1万台なのかもわからない。

つまり、文法を無視して単語を並べただけでは、必要な情報を伝えることがまったくできないのである。

私は強調したい。“理系英語”の使命―主張すべき科学的・技術的内容を、正確に明瞭に伝えること―を考えるならば、英文法は決定的に重要である。

しかし、いまわれわれが念頭に置く“理系英語”において、あの分厚い英文法書に書かれているすべての文法知識が必要なのかといえば、決してそのようなことはない。“理系英語”に必要な最低限の要点だけを身につければ十分なのだ。そしてその際、われわれが中学・高校を通じてみっちりと叩き込まれた英文法の知識が、確かに役立つのである。

そのことを私は、英語を母国語としないさまざまな国の研究者・留学生たちとの交流を通じて、体験的に実感してきた。日本における「学校英語」が、この点においては強みを発揮するのである。

本書は、“理系英語”のための必要最低限の英文法を簡潔にまとめ、実戦的かつ具体的な例文を通して“理系のための英文法”に習熟すること、ひいては、国際的に通じる「英文を正確に読める能力(読力)」と「英文を正確に書ける能力(書力)」を習得することを目的として書かれたものである。

そのための補助として、すべての例文を原則として“理系の英文”にしている。ひたすら“理系の英文”を正確に読み、“理系の英文”を正確に書けるようになることを目指す本書の構成は、第3章で明らかになるように、従来の英文法書のそれとはまったく異なる。

読者にお願いがある。

本書の構成上、一度だけの読破ではなく、必ず二度、三度と読み直していただきたいのである。一度最後まで読みきってから再読することで、本書の内容に対する読者の理解度が指数関数的に深まるからである。
  
なお、本書では、英単語の意味をしばしば「英英辞典」から引用するが、その「英英辞典」は多くの場合、私が高校時代後期から愛用しているA.S.Hornby:Oxford Advanced Learner’s Dictionary of Current English(以下Hornby)である。

『理系のための「実戦英語力」習得法 最速でネイティブの感覚が身につく』