『獣になれない私たち』番組公式サイトより

受け入れる新垣、芯が強い戸田…秋ドラマから、女優のキャラを考える

有村架純、高畑充希はどうだろう

高いハードルを超えられるか

今クールのドラマの女優といえば、有村架純と、新垣結衣と戸田恵梨香になるだろう。

有村架純は『中学聖日記』で中学校の先生役をやっていた。

担任している中学3年生男子に惹かれていく先生の役だった。

中学3年生の生徒と先生の恋、という設定はちょっとハードルが高い。

高校生と教師の恋愛というのはまだわかるが、(それでもあまり許されるものではないけれど)それが中学生となると、かなりまずい。高校生は半分大人だし、江戸時代だったら大人だけれど、中学生は江戸時代でも微妙である。そういう意味でなかなか厳しい。

第1話をみて、中学生か、ちょっときっついなー、とおもった。見なくてすむなら見ないですませたいドラマだなあ、と正直なところおもった。たぶん、同じように感じた人がいたんだとおもう。最初から視聴率が取れずに苦戦したままである。第1話を見て、それでつらかったのだから、しかたない。

このドラマは途中からとてもよくなってきたのだけれど、それは無理して見続けたから気が付いたことであって、ふつう、見ない。しかたがない。

そもそも、中学3年設定でありながら、生徒を演じているのはだいたい18歳あたりの役者である。有村架純の相手役を演じる岡田健史は19歳で、つまり大学1年の年齢で、それで中3を演じており、やはり無理があった。そもそも『中学聖日記』ってタイトルがあまりにも妖しすぎる。なかなかハードルの高いドラマである。

 

切ない人…有村架純

ただ、ドラマは丁寧に作られている。

人の心(恋する心)をきちんととらえようとしているので、セリフでの説明が少ない。画面をずっと見続けてないと、ドラマの芯に触れられない。印象的できれいな映像を届けようと、きちんと作っているのがわかる。つけっ放しにしていて何かやりながらぼんやり見ていたら、肝心の部分をけっこう見逃してしまう。

すぐれた映像の作り手たちが本気で作ると、こういう作品になる。

でも最初に、視聴者の気持ちを取りこぼしてしまっている。そのうえ、質の高い映像を撮り続けるとかえってみんな見なくなるだけである。残念だけれど、しかたがない。

番組公式サイトより

有村架純はいい。

私はとても有村架純を好きだということがあるにしても、それでもいいとおもう。

彼女の姿だけをみていたい。そういう作りになっている。

花火の回の映像は、とても印象的だった。

有村架純は、いつもずっと切なそうである。

健気に動くが、おもいどおりにはいかない。そういう役どころが似合う。

おもいどおりに行かない現実をただ見つめ、言葉を発することなく佇んでる彼女を見てるだけで、胸がしめつけられていく。

切なさで世界を覆うことのできる女優である。

朝ドラの『ひよっこ』がそうだったし、その前の主演ドラマの『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』でもそうだった。

彼女が根本的もっている芳香がそういうものなのだろう。