娘に好かれたい父親に、心理学が教える「娘のトリセツ」

日常に潜む心理学の「種」に学ぶ
小野寺 敦子 プロフィール

ライフスタイルと家族関係

次に行ったのは、食ライフスタイルの研究である。

最近の日本の子どもの食生活をめぐる問題と親子関係は密接に関連しているのではないかと考え、「食ライフスタイルと親子関係」研究を科学研究費補助金をいただき三年間実施した(最終年度に韓国との国際比較調査も実施)。

 

研究では、大学生とその母親に質問紙調査を実施し、「健康的食事」「料理への関心」「コンビニエントな食事」「家族との食事」「菓子と冷凍食品」という五要因を日本、韓国ともに抽出した。

そしてそれらが親子間でどのように関連しているかを検討したところ、母親が健康的な食生活を送っていると考えているならば、子どもも自分の食生活は健康的であるととらえ、母親がコンビニやファーストフードをよく利用していると考えているならば、子どももコンビニの利用が多いと自分をとらえていたのである。

つまり親子の食ライフスタイルは良くも悪くも伝承されていることがわかった。

そして、食ライフスタイルと親子関係との関連を検討した。その結果、健康的で料理好き、そして家族で食事をとる「理想的食ライフスタイル」の親子は、関係が良好だったが、食に無関心な親子はその関係が対立的であった。

また母親がコンビニやファーストフードをよく利用する「ソト食」であると、親子関係は希薄であった。

つまり本研究により、毎日、誰もがとる食事と親子関係は影響しあっていることから、家族における「食」の大切さを再認識させられた。それと同時に、果たして自分は家族にバランスの良い食事を作り、食卓は楽しい場所と家族が思っているだろうかと自問することになった。

このように好奇心から研究を行ってきたが、実はその研究により自分が成長し、時には励まされ救われてきていることに気づいた。まさに私にとって心理学は、困った時に私を傍で励ましてくれる人生の伴走者である。これからもいろいろなことに好奇心をもって心理学の研究を続け、前向きに人生を送っていけたら幸いである。