世界の国々が危機感を抱く「プラスチック問題」の深刻な実態

実は洗顔剤にも大量に含まれている
田中 周平 プロフィール

主要メーカーも使用中止や素材変更へ

2016年3月に日本化粧品工業連合会は、約1,100社の会員企業に対して、マイクロビーズの使用中止を呼びかけました。このように、企業の自主規制前には、多くのマイクロビーズがパーソナルケア製品中に入っていたことが分かりました。

現在は、どのくらいマイクロビーズやマイクロプラスチックのパーソナルケア製品への使用が減っているのか、学生といっしょに分析中です。

世界では、2014年にニューヨーク州がマイクロビーズを使った製品の販売を禁じる法案を提出することを発表し、主要メーカーも使用の中止や素材の変更を進めています。

世界でプラスチック製ストロー廃止の動きが広がっている〔PHOTO〕iStock

2014年にオランダ、ベルギーなどの欧州5ヵ国が、化粧品やスキンケア製品などでのマイクロプラスチックの使用禁止を求める共同声明を発表しました。声明は、EU加盟国28ヵ国の環境大臣に提出されています。

その後、2017年に北欧理事会が化粧品などにおけるマイクロプラスチックの使用禁止を計画し、欧州委員会は環境中に放出されるマイクロプラスチックを削減するための調査オプションを協議しています。

そして、2018年には容器包装プラスチックを2030年までにリサイクル可能にすることを目指すと発表し、使い捨てプラスチックの減少とマイクロプラスチックの意図的な利用を制限することを発表しています。

環境中に放出されると長期間漂うことが予想されるプラスチック。世界での使用量は年々増える一方です。その影響を考えると、できるだけ早めに対策し、少しでも影響を軽減できるような、ひとつ大人になった社会を目指すことができると良いと考えます。

 
2ページ目写真出典:パーソナルケア製品中のスクラブ剤として使用されているマイクロプラスチックの含有量の調査, 雪岡聖, 田中周平, 鈴木裕識, 王夢澤, 鍋谷佳希, 藤井滋穂, 高田秀重, 環境衛生工学研究, vol.30, No.3, p.86-89 (2016)