世界の国々が危機感を抱く「プラスチック問題」の深刻な実態

実は洗顔剤にも大量に含まれている
田中 周平 プロフィール

洗顔剤などを調べてみると…

現在、多くの研究者がマイクロプラスチックについて研究をしています。

海での挙動を研究する方や、魚介類への取り込みを研究する方、微生物への影響を研究する方や、プラスチックに付着した化学物質を研究する方などさまざまです。研究する方々がたくさんいるのは、つまり分かっていないことが多いのだと考えます。

分からないまま世の中に出て、あとで問題が分かってくることが今までもけっこうありました。フロンガスは、燃えにくく分解しにくく人に無害であると考えられ、身近な電化製品やスプレー缶、冷蔵庫、エアコンなどに使われてきました。

ところが、フロンガスは地球のオゾン層を破壊しているということが後で分かり、その後、代替品となるガスが開発され、そちらへと移行していきました。フロンが持つ分解しにくいという特長が、逆に長期間空中を漂い、上昇し、オゾン層を破壊するという予期していなかった事態を引き起こすことになりました。

プラスチックも同じく分解しにくく、環境中に長期間残存します。その特徴があるのですが、最初から小さいサイズで製造されたプラスチックもいろいろな商品の中に入っている(あるいは入っていた)ことが分かってきました。

 

パーソナルケア製品の中に、スクラブとして入っていたマイクロプラスチックを調べてみると、すごい数を観察することができました。

2016年1月から4月にかけて、洗顔剤などのパーソナルケア製品で「スクラブ剤の使用」と記載されており、成分表示に「ポリエチレン」「ポリエチレン末」「高融点ポリエチレン末」「合成ワックス」「ポリエステル」などの記載のある製品を15製品購入し、その中のマイクロプラスチックを調べました。

パーソナルケア製品中のマイクロプラスチックとマイクロビーズ

すると、写真のようにさまざまな形状の白色の物質が観察されました。これらの成分をフーリエ変換赤外分光計という装置で調べたところ、すべて「ポリエチレン」であることが分かりました。

また、製品別では、不規則な形の白色の粒子に加えて、球状のものをいくつか確認しました。これらはマイクロビーズと呼ばれるものです。青色や緑色、透明なものも存在しました。

パーソナルケア製品100g中の個数として換算すると、1製品あたり8,000~1,840,000個のマイクロプラスチックが入っていることが分かりました。

中央値では621,000個になりました。それらの大きさは、製品別の平均粒径は151~487μmであり、平均値は254μm、中央値は223μmでした。

それらの粒子の大きさについて、長い方の軸の大きさ(長軸径)と短い方の軸の大きさ(短軸径)を調べたところ、15製品中3製品では、短軸径/長軸径の比率が0.9を超えました。すなわち、ほとんどの粒子がマイクロビーズであったことが分かりました。

また、その他の製品では、一部、マイクロビーズを含んでいましたが、大半は、不規則な形状のマイクロプラスチックが含まれていました。これらは、2016年1月から4月にかけて購入した製品中での結果です。