京都の境内でこの看板は多く見られるのだが… Photo by iStock

京都の境内で喫煙!?日本での「NG行為」が外国人に伝わらないワケ

居住国で「普通にOK」がダメなとき

ドイツに在住ながら、日本には必ず毎年帰国しているライターの雨宮紫苑さん。ドイツと日本の良い所と首をかしげるところを体感し、その経験をもとに『日本人とドイツ人、比べてみたらどっちもどっち』という新書も出している。

2020年には東京五輪も開幕となり、さらに外国人観光客を迎えることが重要になってくる今だからこそ、せっかくの日本の良さをきちんと出していきたいものだ。

雨宮さんは、そのためにも「ここがもっと良くなったらいいのに!」という思いを、外国に住みつつ日本で育ったからこそ感じることが多いという。今回は日本人の多くには「普通」の「やってはいけないこと」が、海外からの観光客に伝わっていないことについて、目の前で起きたトンデモな行動から検証した。

雨宮さんの「日本の『長所』これでいい?」の一連の記事はこちらから

 

天龍寺の庭園や二条城前でタバコ…

紅葉がはじまり、山々が色づく10月末の京都。わたしは、日本屈指の観光地である京都にいた。ここ数年、一時帰国するたびに毎年京都に行っているのだが、年々増える外国人観光客の多さに毎度驚かされる。

日本政府観光局によると、10年前の訪日外客数は約835万人だったが、2017年には約2870万人と3倍以上になったそうだ。わたしが驚くのも無理ないことだろう。

しかし今回驚いたのはそれだけではない。なんと、天龍寺の庭園でタバコを吸っている人がいたのだ!!

「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている天龍寺の庭園。11月はこのような美しい紅葉がむかえてくれるのだが… Photo by iStock

さらに、二条城前のベンチに座ってタバコを吸いながらくつろぐカップルや、寺町通で歩きタバコをしているグループも見かけた。見た目や話す言語、その様子から、ほぼ確実に外国人観光客である。

京都は市内全域、喫煙所をのぞき路上喫煙禁止だ。指定場所以外で喫煙すると過料(罰金)を科せられるようになっている。喫煙所ではないお寺の庭園で喫煙などもってのほかだろう。

しかし一方で、わたしが住んでいるドイツをはじめとした多くのヨーロッパの国々では、屋外ではたいていどこでもタバコを吸っていい(もちろんそれぞれ決まりはあるが)。バス停や大通りはもちろん、公園やライン川沿いでも、いたるところで喫煙している人がいる。そして吸い殻は、ポイ捨てが「当然」である。

京都では「こんなところでタバコ吸うなんてありえない」と思ったわたしだが、それと同時に、「そもそもこの人たちはここでタバコを吸っちゃいけないって知ってるのか?」とも思う。

ちなみに、天龍寺の方に聞いてみると、天龍寺の境内は原則禁煙だそうだ。しかし火災はお寺にとって脅威であるため、完全禁煙にしてトラブルになるよりも指定の場所で喫煙を、と庭園に入る石段の手前に灰皿を置いているとのことだった。

境内で喫煙している人にはその喫煙所をお伝えするのだという。わたしが見た喫煙者も、その後そっちに案内されたかもしれない。