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「山田」はなぜ平凡…?NHK人気番組『日本人のおなまえっ!』傑作選

「木村さん」の由来にはすごい秘密が…

どんな名字にも、実は壮大なドラマがあることを教えてくれるNHKの番組が大人気だ。ホロリとさせられる物語から、「エッ!」と驚く新事実まで盛り沢山。選りすぐりのエピソードをご紹介しよう。

「山田」はなぜ平凡か

山田という名字には、なぜ「日本人に代表的な名字」とか、「平凡」といったイメージがつきまとうのか、ご存じだろうか。

名字ランキングでは山田は12位と、トップ10圏外。それなのに、ランキング上位の渡辺や高橋よりも平凡なイメージは強い。いったいなぜか。この疑問に答えるため、番組はあらゆるアプローチで山田を掘り下げる。

まず、公共機関の記入例に「山田〇〇」が多いから、代表的な名字というイメージがついたのではないかと仮説を立て、日本全国の全市区町村、1896自治体への電話調査を行った。しかし、山田を使っていた自治体は、わずか17件。

仮説は外れたものの、さらなる調査を続けていくと、新たな説が持ち上がる。'65年に『新聞少年』という、母のために新聞配達を頑張る青年の歌が、集団就職で上京していた若者の心を打って大ヒットした。

この曲で、国民的スターとなった歌手・山田太郎の影響で「どこにでもいるような普通の人=山田」のイメージが定着した可能性が高いと結論づけたのだ。

しかし、これだけでは終わらない。音響分析の専門機関・日本音響研究所に依頼して、「やまだ」という音が科学的にも口に出して言いたい名字であることを発見したのだ。

「ネットで調べると、大半のことはわかってしまう時代ですから、その程度で簡単に答えが出てくるものは扱わないようにしています。

丹念に調べ上げた先に、名乗っている名字が本当に誇らしく思える歴史がある。そこに辿り着けるまで、取材を続けるスタンスを取っています」(チーフプロデューサー・国見太郎氏)

 

その徹底的な取材ぶりに、司会の古館伊知郎に「心底驚いた」と言わしめたのは、NHK総合の番組『ネーミングバラエティー日本人のおなまえっ!』(木曜19時半~)。その名の通り、日本人の名前に関する知られざる歴史などを解説する大人気番組だ。

番組について、チーフプロデューサーの水髙満氏はこう明かす。

「もともとは、'15年に放送された『集まれ田中!』という番組が前身です。若干挑戦的な企画でしたが、放送したら支持していただきました。

見る人は、別に自分の名字じゃなくても、名字にまつわる物語を知るだけで面白いと思ってくれていたのです。そこで、'17年4月からレギュラー番組になりました。

これまで、珍名に焦点をあてた単発番組はありましたが、『佐藤』や『木村』などメジャーな名字を深掘りしたレギュラー番組はほとんどありませんでした。よくある身近な名字を徹底的に調べた点が、この番組の魅力だと思います」