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ライザップ、なにがヤバイのか?凄腕会計士とキーマンに見解を尋ねた

革命と綱渡り、それが難しい

創業時から買収で成長

腹回りに貫禄のついた著名人が、たった数ヵ月で見違えるように引き締まったボディーを手に入れる。パーソナルジム「ライザップ」のインパクトあるCMがお茶の間に流れるようになったのは'14年のことだ。

それから4年、ライザップはM&Aで大量に企業を買収し、計75社に広がる巨大なグループを形成するに至っている。

その「爆買い」っぷりはすさまじく、衣料小売りの「ジーンズメイト」や体型補整用婦人下着を手掛ける「マルコ」、『漫画ゴラク』で有名な出版社「日本文芸社」など、まったく業種を問わない。

もちろん、グループの基幹事業はいまでもフィットネスクラブの運営だ。「結果にコミットする」のキャッチコピーのもと、「1キロ痩せるのに4万円かかる」と言われるほど高額な料金を設定。それでもトレーナーによる徹底的な食事管理で「痩せられる」と評判が高い。

「フィットネス業界は競合がひしめいて、急拡大はむずかしい。ですが『結果にコミットする』とまで宣言していた企業はほかになかった。

多額の費用をかけてCMを大量に流し、効果がなかったら返金するからやめてもらって構わない、と勝負に出たのが功を奏しました」(百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏)

高価だが徹底したサービスで、顧客に付加価値を感じてもらうのがライザップ流のビジネスだ。

これを応用し、ゴルフや英会話など、さまざまな事業に着手。ライザップの実質的な前身「健康コーポレーション」の創業は2003年、それから15年で総従業員数は7000人を超えた。

 

冒頭で触れたとおり、ライザップにはもうひとつの「顔」がある。数々の企業を買収して拡大を続けるM&A企業であるという一面だ。

創業者で代表取締役社長の瀬戸健氏(40歳)の略歴に、その片鱗は表れている。健康コーポレーション時代に発売した「豆乳クッキーダイエット」が大ウケし、わずか4年で年商100億円を突破。4年目にして札幌証券取引所アンビシャス市場に上場を果たした。

ところが競合製品が出てくるにつれて経営が悪化。資金がショートしかけたところで、買収したジャパンギャルズが販売する美顔器「エステナード」が大ヒットを記録し、命拾いした。

その後も多角経営が功を奏し、現在のライザップグループの原型を形作っていく。

瀬戸氏の実家は福岡県北九州市でパン店を営んでいる。母の和子さんは、息子の青年時代を次のように話す。

「勉強するのは好きでなかったみたいだけど、とにかく友達が多い子でした。店のパンを学校で売ってお小遣いにしていたみたいで、商売上手でもあったんです。

いまでも友達付き合いを大切にしているみたいですが、『散らかしグセ』も子供のころから変わりませんね。よくお嫁さんに諫められているそうですよ」